研究課題/領域番号 |
63301018
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
布施 鉄治 北海道大学, 教育学部, 教授 (90001776)
|
研究分担者 |
大野 晃 高知大学, 一般教養部, 教授 (00117003)
中江 好男 福島大学, 行政社会学部, 教授 (70002615)
酒井 恵真 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (80073493)
岩城 完之 山梨大学, 教育学部, 教授 (10001794)
安原 茂 成蹊大学, 法学部, 教授 (70054286)
|
キーワード | 地域社会再開発 / 都市的事業体 / 都市世帯(家族) / 都市社会 / 階級・階層 / 都市人の文化 / 生活様式 / 都市と農村 |
研究概要 |
1-(1)今日の段階、地域社会(再)開発の問題は、しばしば地域社会の資本主義的発展・計画の問題として捉えられてきた。ところでこの問題を住民諸階層の生活様式の変動の問題として捉え直すと、そこには一体どのような傾向が見られるのか。今日のわが国の地域社会開発を見ると確かに自営業主層及び家族従業者層は激減し、替って賃労働者階級が激増している。階級編成の型は異なってきている。しかしわが国都市社会の活性化を担う都市的事業体には圧倒的に零細事業体が多い。地域における製造業、卸小売業・サ-ビス業事業体がすべて大型化したわけではないのである。しかし、零細事業体においても資本一賃労働関係は進展している。かかる変動過程は、言葉を替えるならば、従前、「家」的共同体的といわれた社会編成の型が、現下、開かれた社会編成の型をもつものへと変動していることを示している。 1-(2)本調査研究では、地域における都市的諸機関と世帯(家族)が具体的に如何に変動しているのかの解明から入った。両者を結びつけるものとして諸個人の全生活の社会的再生産の過程がある。諸個人の自立化過程、即ち謂所「主体形成」の過程もそこにはある。社会関係のネットワ-ク、また意識の構造も異なってきている。そこに諸個人の生活様式の具体的変動がみられる。かかる意味で、本研究では、階級構成の変動を階級構造の変動として解明しようとした。 2.本研究は、東京においては零細事業体が集積している墨田区、北海道帯広市、東北.福島市、四国.高知市で実態調査を行い、出版経費の関係上とりわけ東京・墨田区調査に焦点を絞って研究結果を報告することにしたが、最終的な集計作業中、コンピュ-タ-トラブルが生じ、報告書刊行は平成2年6月末日にならざるを得なくなった。本研究では幾多の知見を得たが、前記報告書にゆずりたい。
|