研究課題/領域番号 |
63301026
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (60011269)
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研究分担者 |
安立 清史 日本社会事業大学, 社会事業研究所, 助手 (40192968)
長谷川 公一 東北大学, 教養部, 助教授 (00164814)
渡辺 慶子 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (20167117)
渡辺 秀樹 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30114721)
高田 昭彦 成蹊大学, 文学部, 教授 (50102174)
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キーワード | 都市社会運動 / 市民運動 / ネットワーキング / ニューウェーヴ / オルターナティヴ / エコロジー / 反原発運動 / 都市計画 |
研究概要 |
現在、都市における社会運動は第二の大きな転換期にある。第一の転換は、従来の政党や大組織の指導によらず普通の市民が自発的に立ち上がった70年代の草の根運動の登場であった。具体的にはエコロジー運動、フェミニスト運動、反核運動などに見られる。しかし1987年後半からさらなる第二の展開が始まり、それ以前の市民運動との差異を強調し自らを「ニューウェーヴ」と呼ぶ新しい市民運動が台頭してきている。本研究ではその実態の把握のために、都心、東京郊外、地方中核都市と、地域を限定してその中での新しい市民運動の展開の実際を調査した。 都心では原宿地域を取り上げ、住民の環境への意識と住民運動の生成、および都市再開発計画との関連を郵送によって調査した。そこで見出されたことは、環境の悪化に対し住民が非常な危機感をもっていること、住民と事業主の利害が鋭く対立していること、両者を調停すべき行政側の都市計画が住民のニーズを反映していないこと、その結果住民は運動を発展させる契機を見出せないでいることなど否定的なものであった。 これに対して東京郊外の武蔵野市では、「ニューウェーヴ」を先取りしたような市民運動が活発に生じている。活動家へのインタビューと運動体への郵送調査によって把握した特徴は次の通りである。まず価値観は現在の産業社会を批判しオルターナティヴ社会を展望するものであること、組織は自由な自主的参加の開かれたもので意思決定はコンセンサス方式であること、主体は日常生活を営む生活者であること、運動体どうしは異種の運動をもヨコに繋いだネットワーキングを形成していることなどが明らかになった。 地方中核都市としては仙台を取り上げ、運動としては反原発運動に限定し、関係者のインタビュー調査により女川-仙台-東京を結ぶネットワークおよびその運動のニューウェーヴ性を明らかにしようとしている。
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