研究課題/領域番号 |
63301026
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (60011269)
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研究分担者 |
安立 清史 日本社会事業大学, 専任講師 (40192968)
森反 章夫 東京経済大学, 経営画学部, 助教授 (50174438)
長谷川 公一 東北大学, 教養部, 助教授 (00164814)
高田 昭彦 成蹊大学, 文学部, 教授 (50102174)
渡辺 慶子 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (20167117)
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キーワード | 都市社会運動 / 市民運動 / ネットワ-キング / 反原発運動 / 都市計画 |
研究概要 |
前年度の研究成果を踏まえながら、3つの実態調査地区をさらに拡大・発展させた。先ず東京都心地域では、原宿地区の都市再開発をめぐる住民運動において、行政側が消極的で十分に住民のニ-ズを反映させることができず、住民運動が発展の契機を見出せないでいたのに対し、行政側が積極的に住民に働きかけ運動を喚起している地域として環状7号線沿線杉並地区を取り上げ、環境保護に関して住民へのヒアリング調査を行った。また東京郊外地域では、武蔵野市における反原発運動ニュ-ウェ-ブの事例研究から、伊方原発出力調整実験以後のニュ-ウェ-ブ全体の動向を全国的規模で検討する方向に内容的に発展させた。仙台という地方中核都市地域では、反原発運動の現地としての女川-当該県としての宮城県-中央としての東京という図式から、六ヵ所村核燃サイクル建設反対運動に焦点を合わせて、現地の六ヵ所村-周辺都市の八戸、三沢、弘前-当該県の青森県-運動を支援する全国の地域の一つとしての仙台、東京という図式をつくり、反原発をめぐるそれぞれの都市での市民運動の質的な相違と関連についての研究へと発展させた。さてこれらの対象領域は、限定された小地域、影響によって段階づけられた幾つかの地域、全国規模と3様であるが、都市社会運動に焦点を合わせている点では共通している。発見された知見としては、1.行政側は積極的過ぎても消極的過ぎても自立した市民運動の成長には有害である。2.反原発運動ニュ-ウェ-ブの中に自分で責任を持って判断し行動する近代的個人の理想型が生活者として現れてきている。3.反原発運動全体は現地、当該県の市町村、大都市の三重ネットワ-クで捉える必要がある。4.各運動体間のネットワ-クは各地のキ-パ-ソンの個人ネットワ-クの上に成立しているなどがある。今後は多摩ニュ-タウンの都市計画とその実態の調査をも加えて、さらに充実した運動理論の構築を目指す。
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