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1990 年度 実績報告書

現代日本における諸差別と差別意識をめぐる社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63301029
研究機関専修大学

研究代表者

鐘ケ江 晴彦  専修大学, 文学部, 教授 (20129919)

研究分担者 山田 富秋  山口女子大学, 文学部, 助教授 (30166722)
江原 由美子  お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (20128565)
桜井 厚  中京大学, 社会学部, 助教授 (80153948)
キーワード障害者の自立 / サポ-ティング・ネットワ-ク / セクシュアル・ハラスメント / 被差別部落 / 確認・糾弾会
研究概要

1.実証的研究による成果
(1) 東大阪市H地区の聞き取り調査により、部落解放運動によって勝ち取られてきた諸資源と、被差別者と共に闘おうという強固な人間関係が「障害者解放センタ-」を作り、「作業所」運営を支えていること、地域の人々の粘り強い行政交渉と人的ネットワ-クがあれば障害者の自立が可能であること、等が明らかになった。
(2) セクシュアル・ハラスメントに関するアンケ-ト調査により、わが国においても、身体への接触や言葉によるいやがらせを中心に、多くの働く女性がセクシュアル・ハラスメントを経験していること,それは女性の身心に深刻な影響を与えているが、職場には被害を問題化しにくい構造があることが明らかになった。
(3) 被差別部落の聞き取りや確認・糾弾会のビデオ分析から、部落の女性が差別に覚る過程や、確認・糾弾会における差別する者とされる者との社会的・文化的関係性が明らかになった。
2.理論的研究による成果
(1) 障害者の自立は、障害者と地域に生きる人々との対等な関係の上に創出されること、現在のような人間関係が変革されてはじめて可能であることが分った。
(2) セクシュアル・ハラスメントの概念は、アメリカにおいては「対価型」と「環境型」に分けられるが、わが国においては両者は明確には区別しにくく、「地位利用型」とでも言えるものが主流である。セクシュアル・ハラスメントに関しては、男性と女性の認識のズレが本質的問題であることが明らかになった。
(3) 諸差別の共通の特性として、何が差別かの基準は被差別者の認識にしかないことが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山田 富秋: "確認・糾弾会のリアリティ" 解放社会学研究. 3. 8-23 (1989)

  • [文献書誌] 好井 裕明: "確認・糾弾会のスト-リ-" 解放社会学研究. 3. 24-42 (1989)

  • [文献書誌] 江嶋 修作: "「いま、ここで」の反差別意識をめぐるシンボル分析" 解放社会学研究. 4. 6-20 (1990)

  • [文献書誌] 山田 富秋: "市民社会をめぐるディスコ-スの陥穽" 解放社会学研究. 4. (1990)

  • [文献書誌] 桜井 厚: "語りにみる被差別のリアリティ" 解放社会学研究. 4. 44-64 (1990)

  • [文献書誌] 桜井 厚,山田 富秋,要田 洋江,志村 哲郎,桜井 裕明: "解放運動の展開過程と障害者の地域自立" 解放社会学研究. 5. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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