研究課題/領域番号 |
63301045
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関本 照夫 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (20110083)
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研究分担者 |
福島 真人 東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (10202285)
富沢 寿勇 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (70180164)
船曳 建夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (90165457)
内堀 基光 一橋大学, 社会学部, 助教授 (30126726)
大林 太良 東京大学, 教養学部, 教授 (20012263)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 国家形成 / 国民形成 / 大衆文化 / 伝統文化の変容 / 東南アジア / オセアニア |
研究概要 |
この研究は、主に人類学者の共同作業により、国家形成、国民形成といった現代的テ-マに、人類学の立場からどんな貢献が出来るかをさぐったものであり、東南アジア・オセアニアの新興諸国家の事例を比較し、さらに日本における現代の大衆文化・地方文化の問題も、比較の座標を得る為に取り上げた。これまでの人類の研究方法は、近代国民国家とか世界システムといった大きな対象を扱うのに、かならずしも向いていなかった。むしろそれは、フィ-ルドワ-クの方法を核として、国家よりも小さな言語文化集団あるいはエスニック・グル-プと呼ばれるようなものを把握するのに有効なものであった。しかし、本研究を通じて、今日の現実の地方的諸社会の人類学的研究が、近代国民国家形成の動きと密接な関係にあること、人類学のミクロで集約的な研究方法が、この相互過程の解明に有効であることが明らかになった。この研究が採用したのは、国家や国民を、その政治的・経済的中心、すなわち政府の側や、あるいは国際関係の視点からではなく、地方諸社会の側から見ていくという方法である。比較を通じて明らかになったのは、(1)国家形成の過程が、中央政府の明確で系統的な政策よりも、むしろ役所の書式や言語様式、環境美化運動、学校の制服、道路標識といった、一見些細で日常的なものを通じて、大衆の中に浸透していること。(2)マスメディアなどを通じた均質な大衆文化の形成が、国民の形成に役割を果たしていること。(3)にもかかわらず、国家の存在はむしろ国際関係に支えられる面が強く、国家と国民、そして諸地方社会の間には、断絶をふくんだとりあえずの共生という関係が、支配的なことである。
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