研究課題/領域番号 |
63301064
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中村 喜和 一橋大学, 社会学部, 教授 (40012356)
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研究分担者 |
渡辺 雅司 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (90133214)
長縄 光男 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (60068757)
外川 継男 上智大学, 外国語学部, 教授 (10000663)
笠間 啓治 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063448)
安井 亮平 早稲田大学, 文学部, 教授 (90063635)
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キーワード | 日本認識 / 日露(ソ)交渉史 / 訪ソ書誌 / 白系露人 / ロシア人捕虜 / ロシア観 / 民族的自己認識 / ナショナリズム |
研究概要 |
昭和63年度から2ヶ年にわたった本研究にとっての最終年にあたる今年度の主たる課題となったのは、すでに提出した研究実施計画に明らかにしたように、各研究分担者による成果としての研究論文をまとめて論文集として公刊することにあった。このため、各自が昭和63年度からの研究を総括し、地区ごとにこれを発表して相互に情報交換をしながら論文としてまとめてもちよることとなった。その結果、都合によって執筆ができなかった者をのぞき全部で14夲の論文が集まり、論文集「共同研究 ロシアと日本」を刊行することができた。本論文集は、昭和63年3月に刊行された「共同研究 日本とロシア」の続編として第2集をなすものだが、第1集によって発見された新しい情報や資料のみならず、前号によって切り開かれたさまざまな見地や方法についても継承、発展させたものとなっている。たとえば、本論文集では、満州・長崎・京都・サハリン島のロシア人のほか、東欧人の日本観が、また逆に、ロシアに滞在した岩倉使節団、二葉亭四迷や村松愛蔵のロシア像が論じられているし、さらには、ユ-ラシア主義者の著作を素材としたロシア人の自己認識の問題、日本人の訪ソ記の書誌などきわめて多岐にわたる問題があつかわれた。その多くが一次資料の発見と分析にもとづくものであり、これまでの日露交渉史研究を大きく進めるものとなっている。この意味で、今回われわれが刊行した論文集の意義はきわめて大きなものがあると言って間違いなく、日本とロシア・東欧とのさまざまなレベルでの交流の進展が予想される現在にあって、今後のわれわれの研究には多くのアクチュアリティがあるものと思われる。なお、われわれの研究テ-マにもとづき、1991年5月にアメリカとソ連の研究者をまじえての国際シンポジウムを開催する予定にあることも本研究の成果として付け加えておく。
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