研究課題
本研究は、立法過程における国会議員の役割を、立法の具体的事例に即して解明しようとするもので、本年度は、以下のような経過で研究が行われたことを報告する。1.昭和63年8月に共同研究のメンバーが札幌に集まり、研究分担者が担当する事例研究の各々の問題状況を報告し、全体で討論して、共同研究の共通の視角と調査研究方法の統一をはかった。共通の視角は、「憲法によって期待されている立法者としての役割は、現実にはどのように果されているか」ということである。また、研究の対象になる立法の事例は、議員によって提案された議員立法を中心にするが、政府提案の立法であっても、議員によって重要な修正が加えられたものや議員の意向を実質的に取り入れたものも取り上げることにした。2.同年10月には、東京で第2回の研究会を開き、各研究分担者が担当する元台湾兵遺族弔慰金支給法、国公立大学外国人教員任用法、参議院比例代表法、議員定数是正法、育児休業法、私立学校振興助成法、地域振興関係法、個別問題解決志向型に属する法律、外国人関係諸法、国会関係諸法について、各研究分担者が報告し、上田章衆議院法制局長、浅野一郎元参議院法制局長、小島和夫元参議院常任委員会専門員等の国会実務関係者から、助言をうけた。3.各研究分担者は、国会会議録、新聞などの基礎資料の参照と、立法関係者に対する面接調査等によって事例研究を進めた。4.各研究分担者は、国会の役割や審議のあり方、外国の上院の機能など、立法過程研究に関連する研究に従事した。
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