研究課題
本年度は、立法過程における国会議員の役割を解明するため、各研究分担者が自己の担当する議員立法の事例研究(国公立大学外国人教員任用法、公職選挙法改正、国会法改正、私立学校振興助成法、新過疎法等)を国会の会議録、新聞、雑誌等の資料を参照し、また、国会議員、議会関係者、政党関係者、官僚等に対するインタビュ-を行ないながら進めた。8月21日〜23日には、共同研究のメンバ-および本共同研究に協力を得ている立法実務経験者(浅野一郎前参議院法制局長、上田章前衆議院法制局長、小島和夫元参議院常任委員会専門員、坂本一洋衆議院法制局第一部長、松本進同第三部長)が北海道大学に集まり、研究会を行なった。研究会では、各研究分担者が自己の担当している議員立法の事例研究に関する中間報告を行ない、立法実務経験者の助言をうけ、さらに、全体でそれぞれの議員立法の立法過程における特色を明らかにするための議論を行なった。また、立法実務経験者からは、それぞれ自己が何らかの形で担当したことのある議員立法の事例(議院証言法改正、公職選挙法改正、公文書館法、国会周辺静隠保持法等)の紹介があり、全員の討論によって議員立法の立案過程と国会での審議状況の実態を明らかにした。この研究会での全体討論の結果を踏まえながら、各分担研究者は事例研究の成果を論文として執筆しているところである。幾つかの研究成果は、本年度から大学の研究紀要に発表すべくその作業が行なわれている。次年度には、個別事例研究を完成するとともに、議員立法の類型化を行ない、立法過程における国会および国会議員の役割をいかに高めるか、という問題の解明に取り組む全体の研究計画は順調に進められている。
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