研究課題/領域番号 |
63301077
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
北原 勇 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60051182)
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研究分担者 |
大林 弘道 神奈川大学, 経済学部, 教授 (70167310)
北村 洋基 福島大学, 経済学部, 教授 (90091850)
萩原 伸次郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (80104694)
重田 澄男 静岡大学, 人文学部, 教授 (50022182)
藤田 暁男 金沢大学, 経済学部, 教授 (40039805)
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キーワード | 現代資本主義 / 独占と競争 / リストラクチュアリング / 技術開発 / 停滞 / 産業空洞化 / 政策効果 / NIEs |
研究概要 |
昨年度における基礎的な研究に続いて、今年度においては各論的な報告と討論が行われた。大規模な研究集会として持たれたのは4日にわたる合宿研究会と11月の研究会である。 夏合宿研究会では、まず研究代表者の北原が「資本主義の現局面-レギュラシオン学派の問題提起にこたえて-」と題するいわば総論的な報告を行い、レギュラシオン学派の問題提起が、われわれにとって無視できない重要性を持つこと、しかし、現在資本主義の危機的局面を60年代まで有効に機能したフォ-ディズム的蓄積体制と独占的調整様式の限界露呈に帰する把握の仕方には、多くの問題点が含まれていることが強調された。ついで各論として研究分担者の萩原伸次郎氏による「80年代アメリカ産業の空洞化について」が報告されたほか、講師として出席された増田寿男氏の報告「イギリス資本主義の危機とサッチャリズム」および井村喜代子氏の報告「戦後に本資本主義の段階区分と70年代以降の特質」によって、主要資本主義国3国それぞれの現局面の特質・危機の現れ方についての認識を深めることができた。さらに、今一人の講師南克巳氏の報告「戦後段階と現代社会主義-最近の実態から」をめぐって、ソ連・東欧の激変を必然化させた諸条件・諸要因をどう見るか、なかんづく、ME革命という技術的要因の位置付け、日本および東アジアNIEsの経済発展の持った意味、また、この変化の資本主義経済に及ぼす反作用などについて、大いに議論がたたかわされた。 11月の研究会では、現地を訪づれた本間要一郎氏の報告「ペレストロイウカとバルト三国」によって上の問題の理解を深めるとともに、浅利一郎氏の報告「好況期における分配関係の展開について」をめぐって、産業循環分析のあり方を中心に議論が行われた。なお、現在各人の研究報告の執筆が進行中であり、4月に報告書として提出される予定である。
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