研究課題/領域番号 |
63301077
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
一般理論
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
北原 勇 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60051182)
|
研究分担者 |
大林 弘道 神奈川大学, 経済学部, 教授 (70167310)
北村 洋基 福島大学, 経済学部, 教授 (90091850)
萩原 伸次郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (80104694)
重田 澄男 静岡大学, 人文学部, 教授 (50022182)
藤田 暁男 金沢大学, 経済学部, 教授 (40039805)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 現代資本主義 / 独占と競争 / 停滞 / 産業空洞化 / 技術開発 / 双子の赤字 / NIES |
研究概要 |
1970年代をつうじ、先進資本主義諸国はおしなべて、成長率の顕著な鈍化=慢性的な大量失業、物価の高騰、財政赤字、国際収支の不均衡の調整困難、等に苦悩する状況におちいった。 かかる経済的状況は、第2次大戦後長い間主流の座を占めてきたケインズ的政策の失敗として意識され、80年代の主要資本主義国の経済政策は、自由主義・新保守主義という特色を帯びることになった。レ-ガノミックス、サッチャリズム、中曽根民活路線、みなしかりである。また国際的な側面では、主要国政府首脳間の度重なる会談=合意形成を基礎にした為替レ-トへの協調的な介入によって各国の経常収支の不均衡の是正と安定的な貿易拡大・経済成長が目指された。 これらの諸政策は、部分的・表面的には一定の成果を上げた。たとえば米国では、強いアメリカの再構築、労働に対する資本の権威の再建、物価安定、持続的成長、雇用の増大など。しかしこれらの成果は、連邦財政の赤字と経常収支の赤字という双子の赤字の飛躍的な増大、米国の一大債務国化、基幹産業の空洞化という代価を払うことによってのみ上げられえたのである。そしてそれは、世界資本主義経済にも深刻な不安定要因をもちここむことになったし、日本やアジアニ-ズの勃興を促し国際的対立の原因にもなった。これらのことは、国家独占資本主義的諸政策が独占資本主義に内在する矛盾の発現を抑えることはできても、それは根本的な解決ではなくかえって矛盾を進化させたり、別の形態での矛盾発現に結果せざるをえないという、我々の国独資論の基本視角の正しさを再確認する好例としてみることができる。 今後の検討にゆだねられねばならなかった諸問題のうち重要なものを挙げれば、為替から株式・土地に至る投機の盛行の現段階的特質と投機と実態経済の相互関係の究明、また東欧・ソ連の激変の影響などがある。
|