研究課題
1.現存する洋学者門人帳の収集をまずはかった。それらは天眞楼(玄白)、芝蘭堂(玄沢)、好蘭堂・好物堂(江馬蘭斎・活堂)、海上随改塾、究理堂(小名)、素診館(小森)、日習堂(信道)、適塾(洪庵)、静修堂(川本幸民)、時習堂(広瀬元恭)、蘭馨堂(吉田長淑)、象先堂(玄朴)、順天塾(佐藤泰然)、迎翠堂(土生玄碩)、松本順、堀内素堂の塾の16種で、門人数は4200余名に及ぶ。2.これらの門人帳のうち原本で利用できるものについては、その複写を入手し、活字のものと照合した結果、一部で誤りや脱落があることを見出した。3.適塾については比較的データがそろっているので、パソコンに入力をした。4.適塾のデータに基いて、採用すべき項目を設定し、入力を簡便・規格化するために、ワークシートを作成した。5.『国史大辞典』『洋学史辞典』などの辞典により、門人帳掲載の人名を調査して、データの収集につとめた。しかし、予想されたこととはいえ、多くの人名については経歴を明かにしえない場合が多い。とはいえ、辞典には本人の記載はないが、まま父親、子供など縁者の記載を発見するケースがあり、これは今後の追跡調査に活用できると思われるので、徒労として放棄すべき作業ではないことを確認した。6.洋学者の個人研究を通じてその周辺の人物群が浮び上ってくるため、データを収集するためにも、洋学者各個人の経歴・著作の分析・検討は欠かせない。これを促進するため、月一回の例会をもち、相互情報交換・検討を行う機会をもった。7.他の分野(国学、儒学など)の門人帳を分析し、それとの比較の可能性・必要性を検討した。
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