研究課題/領域番号 |
63302013
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
小林 てつ郎 東京都立大学, 理学部, 教授 (20087159)
|
研究分担者 |
松岡 武夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90022722)
金田 博行 新潟大学, 理学部, 教授 (90022590)
土岐 博 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70163962)
藤井 寛治 北海道大学, 理学部, 助教授 (90000786)
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
|
キーワード | クォ-ク・グル-オンプラズマ / QCD相転移 / カイラルソリトン模型 / Skyrme模型における柱力 / 標準模型 / 超弦理論 / コンパクト化 / 超対称粒子 |
研究概要 |
宇宙初期の素粒子反応から原子核・原子核反応まで含む広範な高エネルギ-反応を、素粒子の基本相互作用に基づきどこまで統一的理解が可能か、どこにbreak throughを見出し得るか、につき各種検討を進めた。 1.クォ-ク・グル-オンプラズマと相転移 ビッグバン後数マイクロ秒経過して温度が約100MeVに下ると、相転移が起こり、クォ-ク・グル-オン相からハドロン相が実現したと考えられている。このQCD相転移の痕跡がバリオン数密度ゆらぎに認められる。QCDの現象論的模型としてカラ-流束模型を採り、バリオン数密度分布のQCD相転移に伴う時間発展を論じ、QCD相転移と宇宙初期における核子合成の機構との関係を詳細に検討した。 2.カイラルソリトン模型 以前に提案したSU(2)Skyrme模型の正しい量子化法を、SU(3)に拡張した。SU(3)/U(1)の等質空間上の量子化を演算子法により一貫して実行し、量子効果がソリトンの安定性にたいして果す役割を見出した。Skyrme模型は、核子の静的性質のほかに、核力についても定性的特徴を再現するが、中間領域の引力に欠陥がある。これをスピン軌道力についてしらべ、模型固有の問題とル-プ補正に負わせる部分とを明らかにし、問題を整理した。 3.標準模型を超えて 超弦理論のアプロ-チにおいては、コンパクト化により得られるプランク・スケ-ルでの4次元有効理論が矛盾なく標準模型に繋がらなくてはいけない。最も簡単な多様体として世代模型を導く力のに注目し、CP^4の中の5次の多項式のゼロ点として定義される超平面をある離散対称性で割って構成し、湯川結合定数の性質をしらべ、特殊な世代間構造を持つことを見出した。現象論的アプロ-チとして、ミニマル超対称理論に基づき、HERAにおける超対称粒子生成を論じ、実験への提言をした。
|