研究課題/領域番号 |
63302014
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 増雄 東京大学, 理学部, 教授 (80013473)
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研究分担者 |
香取 真理 東京大学, 理学部, 助手 (60202016)
桂 重俊 東京電機大学, 理工学部, 教授 (40005153)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | イジングモデル / イジングマシ-ン / モンテカルロシミュレ-ション / 専用計算機 / 計算物理学 / 臨界現象 / ロジックセルアレイ / 相転移 |
研究概要 |
従来、専用計算機は製作グル-プの手元に一台だけあるという状況であった。我々の開発したイジングモデル専用計算機mーTIS(mーTISIIのベ-スとなったマシ-ン)もそうであった。本研究プロジェクトの最大の目的は、専用計算機を関連分野の研究者がだれでも使用でき、それによりイジングモデル周辺の基礎理論の進歩を促がすことであった。本研究プロジェクトではこのイジングマシ-ンを13台製作し、このことによって目的は達成された。進後はmーTISIIを活用して共同研究者とともに様々な問題を究明するために活用してゆく予定である。 当初の計画では回路のLSI化、ボ-ドの製作をすべて外注によって賄う予定であった。しかし、予算の都合上、この計画のように遂行することが不可能となった。このため、LSIとしてLCAを採用し、シリコンチップ上に乗せる作業まで全て研究室で行った。このためマシ-ン開発に予定以上の労力を要したが、研究プロジェクト終了までに完成でき、日本各地の共同研究者のもとへ配備を完了することができた。また理論研究用の専用計算機において、「ハ-ドウエアのソフト化」という設計上の自由度がどのようにすれば有効な手段となるのかも、本研究によりあきらかとなった。 これらのハ-ドウエア上の成果の他に、本研究プロジェクトの一環として開催した研究会等を通して、専用計算機をどのように活用してゆくかという(研究体制もふくむ、広い意味での)ソフトウエア上の問題についても、成果が得られた。 理論的研究分野での専用計算機の使用という新しい方法論の日本における最初の試みであり、我々の研究は国内における専用計算機による研究の起爆剤としの役割をも果した。また、国外におけるこの分野にも刺激を与えた。この意味でも、本プロジェクトは先駆的かつ将来の研究の方向性に影響をおよぼした意義深いものであったといえるであろう。
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