研究分担者 |
岡田 博有 九州大学, 理学部, 教授 (60037182)
宮本 隆実 広島大学, 理学部, 講師 (00090548)
志岐 常正 京都大学, 理学部, 教授 (10025265)
武蔵野 実 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (10027716)
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
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研究概要 |
平成2年度の主な研究実績の概要は,以下のとおりである。 1.日高累層群,北部北上帯ジュラ系,丹波帯ジュラ系,紀伊半島・四国の白亜系・古第三系四万十累層群,超丹波帯ペルム系,舞鶴帯三畳系,和泉層群,九州秩父帯のペルム系,南海トラフのコア-試料等の化学分析を行った。その結果,前年度の分析結果とも総合して,日本各地のの堆積盆を構成する砂岩の化学組成上の特性や時代的な砂岩化学組成の類似性・相違が明らかになった。また,火成弧に由来する砂岩の化学組成上の特徴や組成分布,造構場(特に火成弧のタイプ)のタイプと組成との関係等が明らかになった。 2.中・古生代砂岩の時代的共通性が明確になってきた。その概要は以下のとおりである。 (1).ペルム紀砂岩は,一般に中性の火山岩々片に富む傾向にあり,ジュラ紀の砂岩や三畳紀の砂岩とは組成的特徴を異にする。 (2).三畳紀砂岩に関する情報は,今のところまだ少なく,日本全体について議論するに到っていないが,石英・長石に富むアルコ-ズ質砂岩が多い。 (3).ジュラ紀砂岩は,北海道の渡島帯,北部北上帯,美濃帯,丹波帯,秩父帯(九州から関東まで)といったほゞ日本全体について共通した石英質の砂岩から構成される。ジュラ紀における広域的な組成上の共通性は注目に値する。 (4).白亜系砂岩は,地域的変化が顕著である。四万十帯から北海道に向かって,より中性の火山岩類からなる後背地が推定される。周オホ-ツク地域では,より塩基性の火山岩類を主とする,すなわち,より未発達な島弧からなる後背地が存在したと考えられる。
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