研究課題/領域番号 |
63302038
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 一朗 大阪大学, 工学部, 教授 (30028964)
|
研究分担者 |
茂里 一紘 広島大学, 工学部, 教授 (90011171)
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
梶谷 尚 東京大学, 工学部, 教授 (80010693)
松村 清重 大阪大学, 工学部, 助手 (10135668)
鈴木 敏夫 大阪大学, 工学部, 教授 (80029107)
|
キーワード | 摩擦抵抗 / 粘性圧力抵抗 / 影響関数 / 乱流モデル / 厚い境界層理論 / 非線形計画法 |
研究概要 |
船舶の推進性能における省エネルギー化に対する要望、又船内居住性改善の面から振動、騒音の軽減に対する要求も強く、これらの要望に答えるべく船尾形状の最適設計手法を確立することを目的とし、以下の調査を行ったので得られた結果を示す。 1.通常船型を横断面積分布、偏平度分布、へこみ度分布の3つのパラメターを用いてルイス・フォーム近似し、摩擦抵抗をこれらのパラメターの汎関数として求めた。さらにこれらのパラメターに任意のセクションで単位の微小増分を加えた時の抵抗増分(影響関数)を解析的に求めた。通常船型に適用した時、船体中央平行部ではへこみ度を増加、すなわちビルジ部を丸め、船首でへこみ度を減小、すなわちU型にすることで摩擦抵抗を減じ得ることができ、喫水を母船と同じで、へこみ度を母船の10%だけ変化させた時には摩擦抵抗は2%程度減少することがわかった。 2.粘性流場を乱流の挙動まで含めて高精度で推定するために、差分法による数値計算を行った。SGS乱流モデルとして壁面近傍における混合距離理論と適合するように減衰指数係数を用い、WISDAM-IIで計算を行った所、乱流への遷移過程が明らかとなり、また船尾近傍での圧力分布も実験とよく合うことがわかった。 3.厚い境界層理論と簡易プロペラ理論を用いた粘性抵抗計算法を開発するとともに、非線形計画法に基づきフレームラインを変えつつ繰り返し計算を行ったところ、母船型に比べて船体横断面形状をチューリップ形となるように変形することで粘性圧力抵抗が軽減されることがわかった。
|