1.船舶、ケ-ブル、曳航ロボット系の動的安定性を調べるための、理論的手法を開発した。系の安定性は、曳航ロボットの位置制御を船舶の操縦によって行うための前提となるものである。 ケ-ブルの横変位と張力が長さ方向にゆるやかに変化するとして、その振動方程式をWKB法で解き、曳航ロボットとの連成運動方程式を導き、コントロ-ル・サ-フェスの制御に対するロボットの安定性を調べた。 2.海中における流れのうち、いわゆるstatistical fluctuation(内部波や微細構造による)と呼ばれる水平方向に数キロメ-トル、垂直方向に数十メ-トル、周期数時間程度のスケ-ルの一様でない流れを計算機上にシミュレ-トし、その中を曳航ロボット・ケ-ブル系を船舶で曳航し、船舶の操縦によってロボットを所定の位置に誘導するシミュレ-ション・プログラムを完成した。本プログラムには、ケ-ブルの有限振幅の動きのプログラム、ロボットに作用する流体力など今まで行われた研究の成果が全て盛り込まれている。また、船舶も潮流によって影響をうけるとし、一定時間毎に進路を変更するなどの操縦をシミュレ-トしている。 計算の結果、複雑な海象下では、曳航船舶を所定の位置に誘導するだけでは、ロボットとその位置の隔たりが大きく、それを改善するためには複雑な制御が必要であることが判った。 3.ロボットの完全な誘導を目的に、エンド・ポイント・コントロ-ルの理論を展開した。本研究の結果は、船舶の操縦法の改良に応用される。
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