研究課題/領域番号 |
63302041
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
田島 二郎 埼玉大学, 工学部, 教授 (30134331)
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研究分担者 |
阪本 謙二 鉄道総合技術研究所, 線路構造研究室, 主任研究員
三木 千寿 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20016645)
藤原 稔 建設省, 土木・研究所・橋梁研究室, 室腸
稲葉 紀昭 日本鉄道建設公団, 調査役
飯野 忠雄 首都高速道路公団, 保全施設部, 部長
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キーワード | 鋼橋 / 疲労損傷 / 検査 / 非破壊検査方法 / 損傷度 |
研究概要 |
鋼橋を完全にかつ経済的に維持・管理するために必要な、検査位置、方法と時期を適切に設定する、また、疲労損傷が生じた場合には、損傷の原因や進行性、構造物の安全度、補修の難易度などから損傷度を定量的に評価するシステムを構築することを目的とし、本年度は以下の検討を行なった。 (1)損傷事例の調査・疲労損傷の生じやすい構造ディテールや損傷の原因を明らかとする目的で、国内外の鋼橋の疲労損傷事例を調査した。 (2)非破壊検査方法の検討:疲労損傷の検査を目的として、放射線透過試験、磁粉探傷試験、超音波探傷試験の各種非破壊試験による亀裂検出能力、能率、現場への適用性に関する資料整理を行なった。併せて、疲労亀裂供試体を用いて実証試験を行なった。さらに、これまでにさほど明かとされていないポテンシャルドロップ法およびアコースティクエミッション法の亀裂検出と寸法測定能力について実験的に検討した。 (3)疲労試験:(1)の調査で疲労損傷の可能性が高いと判断された、ウェブがセット継手部や垂直スティフナ接合部などを含む溶接桁試験体の疲労試験を行ない、疲労亀裂の発生・進展性状を調べた。また、同時に磁粉探傷法と超音波探傷法を用いて疲労亀裂の検査を行ない、その検出能力および寸法測定能力について検討した。 (4)検査マニュアルの検討:合理的な検査マニュアルのプロトタイプを作成することを目的とし、我国の各機関および米国のFWHA,Amtrack,Contrailなどで用いられている検査マニュアルの調査・整理を行なった。 (5)ケーススタディ(首都高速道路):首都高速道路においても数年前から一部の鋼橋で疲労損傷が見られるようになった。そのため、疲労損傷事例の収集、実橋における各種の非破壊検査に関する検出性能の比較を行うと共に、実働荷重下の疲労寿命を推定するための検討を行った。
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