研究課題/領域番号 |
63302052
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
五十嵐 定義 大阪大学, 工学部, 教授 (90028928)
|
研究分担者 |
辻岡 静雄 福井工業大学, 工学部, 講師 (90029356)
牧野 雄二 熊本大学, 工学部, 教授 (70040433)
黒羽 啓明 熊本大学, 工学部, 教授 (30040372)
松井 千秋 九州大学, 工学部, 教授 (00037756)
脇山 広三 大阪大学, 工学部, 教授 (10029001)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 鋼構造物 / 高張力鋼 / 高力ボルト / 柱・梁接合部 / 鋼管継手 / 降伏比 / 変形能力 / 表面処理 |
研究概要 |
本研究課題は次のテ-マに分割され、各分担研究者がそれぞれの領域で実験的・解析的研究を進展させた。 (i)鋼管構造(ii)部材接合部(iii)柱・梁仕口(iv)架構 得られた結果は以下のように要約される。 (i)鋼管柱材に関する一連の研究の結果、その耐力および変形性能が、材質によって如何に変化するかを統計的に評価することができた。鋼管トラス接合部に関しては、組合せ応力の影響、接合近傍に生じる局部座屈、応力集中点から発生する破壊など、未解決の問題について数多くの結論を導くことができた。立体および平面トラスの実験的研究を基に、固材の座屈および座屈後挙動、接合部変形とトラス全体挙動との相関に関して解析モデルを提案した。 (ii)接合部に関しては、従来のF10Tクラスの高力ボルトでは高張力鋼の接合が実質的に不可能なことが判明したが、F15Tクラスの超高力ボルトの開発に見通しを付けることができた。さらに、鋼種.摩擦面の処理法を実験変数としてM30太径高力ボルト摩擦接合のすべり実験を行ない、グリッドブラスト処理が有効であることを確認し、そのせん断耐力についても評価式を提案した。 (iii)柱・梁仕口においては、鋼材の降伏比および梁材端スカラップが変形能力に及ぼす影響を実験的・理論的に検討し、降伏比が大きくかつスカラップがある場合には変形能力が著しく低下することを明らかにした。 (iv)高張力鋼梁の変形性能については、鋼材の強度、降伏比が大きいほど変形性能が低下するというほぼ予想したとおりの結果が得られている。ラ-メン構造に高張力鋼を使用する場合には、エネルギ-吸収能力よりもむしろ剛性の問題が設計を支配することになる。耐震構造材として高張力鋼を効果的に使用するためには、トラス的構造との併用、鋼・コンクリ-ト合成構造などの積極的利用が必要である。
|