研究課題/領域番号 |
63302053
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 忠久 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (80017938)
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研究分担者 |
堤 純一郎 東和大学, 工学部, 講師 (60192647)
須貝 高 福岡大学, 工学部, 助教授 (30107536)
石原 修 熊本大学, 工学部, 助教授 (10037971)
西田 勝 九州産業大学, 工学部, 教授 (30069504)
石井 昭夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40087276)
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キーワード | 都市熱環境 / オアシス効果 / 数値シミュレ-ション / オ-プンスペ-ス / リモ-トセンシング / 表面温度分布 / 気温分布 / 緑被率 |
研究概要 |
本年度は昨年に引続き、夏季の市街地の暑熱環境に対する水面や緑地の冷却効果に関する実測を、福岡市内および熊本市内において行った。また、市街地の風および気温分布に対する数値シミュレ-ションをさらに発展させ、モデルをより実在の市街地に近づけた。 水面の冷却効果に関しては、昨年と同様、市街地としては比較的大きな池を持つ福岡市の大濠公園周辺において、移動測定による気温分布の実測を行っている。昨年はこの池の浄化作業のため水を抜いていたが、本年度の夏には新たにほぼ満水状態となったので、昨年と同様の実測調査を行い、満水時と排水時における周辺の熱環境に対する効果の違いを比較検討している。その結果、排水時においてもオ-プンスペ-スの効果として、池中央で周辺市街地よりも約1℃の気温低下が見られるが、満水時には水面の効果としてさらに1〜2℃程度気温が低下し、その効果は徐々に小さくなりながら約600〜800mに及ぶことを明らかにした。 緑地の冷却効果に関しては、福岡市内で2ヶ所、熊本市内で1ヶ所の公園を選び、その内部および周囲において気温、湿度、風速等の実測調査を行っている。それぞれの公園の規模は約4ha、1haおよび1/4haである。それぞれの公園における測定の目的は、比較的広範囲の市街地における公園全体の冷却効果、公園内の気温分布とその近傍における植物の状態との関係、公園を含む周辺市街地の気温および湿度分布とリモ-トセンシングによる表面温度分布との関係である。これらの実測により植物の量が気温に及ぼす影響を定量的に示し、その原因が植物の表面温度が低いためであることを明らかにした。さらに、熊本の公園では公園利用者と熱環境の関係に関するアンケ-ト調査も行っている。 市街地の風と気温分布の数値シミュレ-ションに関しては、LESの流入境界における乱れの条件のための助走計算について検討している。
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