研究課題/領域番号 |
63302067
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 逸郎 京都大学, 工学部, 教授 (40027404)
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研究分担者 |
古屋 広高 九州大学, 工学部, 教授 (30112311)
山脇 道夫 東京大学, 工学部, 教授 (30011076)
平川 直弘 東北大学, 工学部, 教授 (20005391)
石黒 亮二 北海道大学, 工学部, 教授 (20001167)
神田 啓治 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (10027419)
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キーワード | トリウム / トリウムサイクル / トリウム燃料 / ウラン233 / 原子炉設計 / 溶融塩 / 原子炉構造材 / ハイブリッド炉 |
研究概要 |
1.トリウム炉の設計研究、(1)設計用核データの整備:^<232>Th(以下、Th)の2重微分断面積と核分裂中性子スペクトルを測定した。Thと^<233>U (以下、U)の共鳴間干渉効果を実験的に調べた。また、^<232>Uの核データを評価し、ファイル化した。(2)具体的な炉設計:Th-U系高温ガス炉の固有安全特性および同系の稠密格子軽水炉のボイド特性や制御性を^<235>U-Pu系と比較検討した。(3)生成アクチニド:Th-U系で生成する量を計算し、^<235>U-Pu系より遙かに少いことを確かめた。(4)臨界実験解析:以前に実験値との不一致が大きかった解析を詳細に検討して再計算を行った結果、よい一致が得られた。(5)炉心動特性:小型溶融塩発電炉について解析した。(6)ハイブリッド炉の検討:金属Thパイル中に14MeV中性子を打ち込み、反応率分布を測定した。 2.トリウム炉の炉工学と燃料材料研究、(1)クラッド生成機構:炭酸カルシウムループで、壁面に析出するその結晶を時間を追って観察した。(2)酸化物燃料の非化学量論性:(Th,U)O_2を空気中で加熱し、酸素との反応を調べた。(3)燃料被覆管の健全性:Te雰囲気中におけるステンレス鋼の腐食試験を行い、腐食速度とTeの拡散機構を明らかにした。(4)溶融塩に対する構造材の健全性:各種雰囲気でのFe_2O_3、NiOおよびCr_2O_3の溶融フッ化物への溶解度の測定を行った。また、溶融フリーベ中における各種金属の拡散係数を測定し、塩の粘性係数に逆比例することを見出した。さらに溶融塩化物中におけるハイドライドイオンの挙動を調べた。(5)新燃料の製造試験:凍結乾燥法により、Moを分散させた(Th,U)O_2燃料の製造を試みた。また、2種類の被覆粒子燃料の製造も試みた。(6)燃料再処理法の研究:CMPによるアクチニド抽出分離特性について実験的検討を行った。 3.全体会合を2回催し、各研究の発表と総合的な討論を行った。
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