研究課題/領域番号 |
63302068
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
門村 浩 東京都立大学, 理学部, 教授 (80087064)
|
研究分担者 |
武内 和彦 東京大学, 農学部, 助教授 (90112474)
八木 久義 東京大学, 農学部, 助教授 (80191089)
堀 信行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40087143)
田村 俊和 東北大学, 理学部, 教授 (00087149)
|
キーワード | 荒廃景観 / ハゲ山 / 草地・ササ地景観 / 形成プロセス / 修復プロセス / 山火事 / 鉱害 / 土地改変 |
研究概要 |
1.既存資料、Landsatデ-タ等により荒廃景観の全国分布の概要を把握し、成因別に整理した。 2.天北地域、北上山地・阿武隈山地、松尾・吾妻鉱山、足尾山地、草津白根山、羽越・北陸地方、御岳、瀬戸内地域のそれぞれ代表的地域で現地調査を行い、各地域に見られる荒廃景観の特徴を把握した。 3.天北・宗谷丘陵では、現存植生の形態と分布、土壌断面中の炭片包含の有無等を精査することにより、今世紀初頭に起きた山火事の強度とパタ-ンの復元が可能であり、斜面の地形的位置と風衝強度、霜・雪・流水による地表物質の安定性との関係を調べることにより、この地域に広がるササ地景観の形成と維持の過程が解明できるという見通しと、山火事以前の植生を復元するための基礎資料が得られた。 4.寒冷地域並びに亜高山帯では、火山噴火等の自然営力並びに人間活動に起因する無立木地ないし荒廃景観の出現により、より寒冷な地域に出現する草木潅木種が先駆群落を形成するという共通性が認められた。 5.瀬戸内地域では、近世以降の燃料木の伐採に加えて第2次大戦中の松根の抜根と山火事の頻発により、荒廃地が拡大し流出土砂量が増大してきた過程を復元できる見通しが得られた。 6.山地・海岸地域では、強風が荒廃景観の形成・拡大と維持に対して大きな役割を果しているが、その貢献度についての全国レベルの比較検討の必要性が指摘された。 7.森林破壊に続く寒冷適応種ないし乾燥適応種の先駆植物群落の侵入による荒廃景観の自然回復、という作業仮説の普遍性を、成因・年代、環境条件の異なる地域間のの比較研究により検証することが必要である。 8.人為起源の荒廃景観については、土地利用等人間活動に関する編年的考察が不可欠である。
|