研究課題/領域番号 |
63303004
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
黒田 六郎 千葉大学, 工学部, 教授 (50009198)
|
研究分担者 |
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
熊丸 尚宏 広島大学, 理学部, 教授 (50033816)
松井 正和 京都大学, 化学研究所, 教授 (90027037)
鈴木 信男 東北大学, 理学部, 教授 (10006025)
多賀 光彦 北海道大学, 理学部, 教授 (90000778)
|
キーワード | 状態判別分析 / キャラクタリゼ-ション / 希土類元素 / 特異的試離 / 溶媒抽出 / イオン交換 / オンライン分離分析 / 高感度化学分析 |
研究概要 |
環境物質、各種素材物質のキヤラクタリゼ-ションや微量成分のスペシエ-ション研究を可能とする機能的な分離化学と関連する高感度計測法の研究は現下分析化学上の大きい課題である。本研究はこの問題を総合的に多角度より探求して、トレ-ス・ミクロレベルにおける新しい分離分析法の研究開発を行った。この目的を達成するため昭和63年、平成1年の2年間にわたり、全国15名の研究者よりなる研究班を組織して、1.状態判別に必要な高感度分析法の開発、2.化学種の分離・分別・濃縮のための新しい特異的試薬・イオン交換体の合成・応用、3.新しい観点に立つ溶媒抽出抽出系の開発、4.イオン交換・吸着・浮選法の新展開、5.オンライン分離濃縮-高感度計測の5課題について研究を進めた。その結果1についてはイオン対利用前濃縮蛍光法、接触-フロ-インジクション法、増感原子吸光法、新しい熱蛍光状態分析法を開発、2では高選択的金属イオン吸着樹脂、疎水性試薬含浸樹脂、機能性キレ-ト樹脂、大環状及び擬大環状化合物の合成・開発とその分離化学的特性評価を行い、また新規な錯生成反応による選択的分離分析法研究に成果を挙げた。3では新溶媒抽出系(特にロジウム)、HSAB説に基づく協同抽出の設計等に成功し、また新観点よりイオン会合抽出による分離、分析法設計を可能ならしめた。4においてはイオン干渉法による希土類元素の分離を達成し、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)樹脂を用いるトレ-スメタルの新予備濃縮法を開発、また固体吸着体による陸水中の重金属の存在状態別分離定量法を提案した。5では分離濃縮と計測をオンラインで連結し、化学分析法の高感度化、迅速化、高精度化の方法論を構築した。上記課題は相互に関連するため、昭和63年秋、平成1年秋、公開シンポジウムを開き、総合討論をおこなって研究の集約・拡大をはかり上述の成果を挙げた。
|