研究分担者 |
山内 脩 名古屋大学, 理学部, 教授 (70029643)
斎藤 太郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90011006)
干鯛 眞信 東京大学, 工学部, 教授 (60011011)
海津 洋行 東京工業大学, 理学部, 教授 (20016140)
大滝 仁志 分子科学研究所, 錯体実験施設, 教授 (80022549)
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研究概要 |
共有性配位結合は、各種の金属錯体に存在し、その種類も多く構造的にも多くの型があり、総合的に研究するのが特に有効な分野である。19名の分担者は各自の得意とする理論や技術を充分生かして、共有性結合の結果として生ずる様々な物性と反応性の研究を行った。 単核錯体では、混合配位子錯体での諸問題が基礎的に研究され、特にリンや硫黄を配位原子とする場合が調べられた(木田,藤田,平木,三吉)。生体での金属酵素の反応の解明のため、窒素錯体やインドール錯体(干鯛,山内)、各種のポルフィリン錯体(宮本,森島)更に類似のマタロ環錯体(木村,吉田,大滝)が研究された。また、物性についても、金属核のNMRや錯体の光反応が調べられた他、溶存状態についてX線を用いて検討された(海崎,海津,大滝)。 2核錯体では異なった金属イオンを含むヘテロメタル錯体が特に近年注目され、各種のものについて調べられた(大井,上原)。また3核錯体はMo,Wの場合(伊藤)及びそれらの硫黄クラスター(柴原)、更に6核錯体はMo,W,Ta,Nbについて(斎藤(太))新型錯体が合成され、物性が調べられた。 有機金属錯体については、ジルコニウム、ニオブ、タンタルなどシクロペンタジェニル基を持ち、更に金属が炭素環の中にくみこまれたメタラサイクルについて、その新合成法と反応性が調べられた(中村)。 以上、広い範囲の研究が各地で行われたが、これらの成果は、1月末のミニ・シンポジウム、及び3月中旬の成果報告会(共に分子研にて)によって報告され、班員の他、集められた他の研究者によって活発に論議され、共有性配位結合の本質について総合的な観点がもたらされた。
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