研究課題
熱水変質作用による粘土鉱物の生成機構と鉱物学的性質を明らかにするために地質学的な産状の調査研究、粘土鉱物の結晶化学、水熱条件下における粘土鉱物の合成と天然における産状との比較研究を総合的に行っている。そこで研究分担者を3班に分け、独自に研究を行うと共に、共通の場での討論を行うために各分担者が共通な知識と広い見識をもつ必要がある。そこで本年度は次の2つの研究集会を開催した。1.第1回目の研究集会と地質巡検を昭和63年10月28日〜29日に福島県岩瀬郡尺巣村二岐の大丸あすなろ荘で下記のように開催した。(1)熱水変質作用により生成される粘土鉱物の例として黒鉱鉱床、鉱脈鉱床及び地熱鉱床を選び、粘土鉱物の生成構造の最近の知識を総括した2つの講演(2)粘土鉱物の研究手法に応用され始めた分析電子顕微鏡やX線粉末回析データの解析技術を総括する5つの講演(3)天栄村羽鳥湖周辺地域に分布する熱水変質作用及び続成作用により形成された粘土鉱物及び沸石の産状の見学研究分担者間で活発な討論が行われ、今後の研究の指針となる有益な結果がでた2.上記の研究集会の結果の1つとして、分析電子顕微鏡による粘土鉱物の化学組成の定量に関する研究集会を平成元年1月26日〜27日に、日本電子(株)で開催し、試料の作製法や分析の具体例、問題点について討論し、基礎実験を行った。