研究課題/領域番号 |
63304007
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
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研究分担者 |
藤沢 肇 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60079689)
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
児玉 隆治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90161950)
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キーワード | 形態形成因子 / 細胞接着 / 細胞認識 / 分化形質発現 / 分化形質転換 / パターン形成 |
研究概要 |
1.イモリのレンズ再生過程における色素上皮の脱組化に関与し、色素上皮細胞の分化形質発現を安定に維持するための因子を、モノクローン抗体の作出を通じて発見した。また、老齢なヒト色素上皮細胞のレンズ細胞への分化転換性を実証すると共に、ヒト色素上皮細胞も、イモリやニワトリ胚などの色素上皮細胞と全く同様に、細胞相互間の連絡を絶ち細胞の接着性を低下させるような環境因子によって容易に多能的脱分化状態となることを明らかにした(江口・児玉)。 2.複数種の細胞接着分子カドヘリンの各タイプのCDNAをL細胞に導入し強制発現させ、異なるタイプのカドヘリンを発現する細胞は相互に接着せず、特異性のあることを証明した。さらに、この特異性は、上皮と間充織の分離、神系繊維の遊走における足場の認識など、細胞の選択的接着が関与する現象に基本的な役割を果すことを示した(竹市)。 3.TGF-βファミリー系の成長因子のひとつであるEDFまたはアクチビンAが中胚葉性器官の分化誘導因子であることを、両生類胚について初めて明らかにした(浅島)。また、イモリ初期のう胚予定外胚葉からconA固定化カラム吸着画分を分離し、この画分のモノクローン抗体を作出した。この抗体を用いて、イモリの発生過程における抗原の分布を検討を通じて、神経誘導刺激に対して予定外胚葉の示す応答能と連関して予定外胚葉の内側表面と特異的に結合する抗体を得た(竹島)。 4.ニワトリ胚肢芽の軟骨パターン決定時に位置特異的に発現するAV-1抗原の精製を進めると共に、AV-1抗原の発現がレチノイン酸によって影響を受けることを明らかにした。 5.視神経の視中枢識別因子と推定される細胞表面蛋白質分子のcDNAのクローン化に成功し、その構造を大略明らかにした(藤沢肇)。 6.ヒドラ刺細胞分化パターン制御因子の部分精製に成功した(藤沢敏)。
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