研究分担者 |
中垣 雅雄 信州大学, 繊維学部, 助手 (70135169)
管家 英治 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20007967)
福原 敏彦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70011880)
渡部 仁 東京大学, 農学部, 教授 (10011868)
川瀬 茂実 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023382)
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研究概要 |
1.濃核病ウイルス(DNV)の山梨株と中国株について、6.6Kbpと5.9Kbpの2種DNAの制限酵素地図を作成し、その塩基配列の相違を比較した。6.6KbpDNAは両株で明瞭な違いがあり、SmaI,SphI,HindIII,BamHI,SacI,EcoRVなどで消化される部位や切断フラグメント数に相違が認められた。5.9KbpDNAは両株とも似ており相違が少なかった。 2.DNV感染の早期診断法のために金コロイド標識抗体によるドットイムノブロッティング法を開発した。ニトロセルロ-ズメンブレン上に被検体磨砕液を1μg滴下し、1次崎体で1時間反応、続いて2次抗体(ヤギ血清+5nm金コロイド)で反応後、銀粒子増感反応を行って発色させた。1次元体濃度は約1万倍、2次抗体は100倍希釈が適当であった。本法はオクタロニ-法の1000倍、エレクトロシネレ-シス法の1万倍の感度で、精製DNV1ngが検出可能であり、ウイルス接種後10時間で個体レベルの感染について検出ができた。 3.消石灰及び高度サラシ粉飽和液によるDNV不活化効果を明らかにした。消石灰飽和液及び高度サラシ粉飽和液はDNV浸漬20分で完全に不活化した。更に電気泳動パタ-ンによる不活化過程を追跡した。両飽和液にDNV5分以上の浸漬でウイルスタンパク質は消失した。ウイルス核酸は高度サラシ粉液は20分浸漬で消失したが、消石灰飽和液は5.9Kbpのバンドのみが消失したが6.6Kbpは消失しなかった。マイクログリット上のウイルス粒子は両飽和液5分以上の処理でウイルスキャプシットは崩壊し、ウイルスコアが露出し、30分処理で粒子形態は完全に消失した。 4.培養細胞SCLD細胞に20nmのウイルス粒子を細胞質及び核内に産生を認めた。STE-MSH-805細胞には21nmのウイルス粒子が細胞質に形成するのを確認した。しかし、蚕DNVが増殖可能な昆虫培養細胞系について10株の細胞を調査したが、増殖を認めることができなかった。
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