研究課題/領域番号 |
63304015
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
須貝 悦治 東京農工大学, 農学部, 教授 (90014935)
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研究分担者 |
小山内 実 東京都老人総合研究所, 生物学部, 部長 (50113486)
古賀 克己 九州大学, 農学部, 教授 (40038261)
普後 一 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90111640)
山下 興亜 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50023411)
勝野 貞哉 北海道大学, 農学部, 助教授 (00001397)
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キーワード | 卵形成 / 30KDa蛋白質 / 卵殻蛋白質 / 昆虫ホルモン / 精子形成 / 有核精子 / 無核精子 / 精子運動エネルギー |
研究概要 |
〔I〕卵形成:1)30KDa蛋白質の発育卵巣への取り込みが、家蚕の品種によって異なることを見い出し、その原因について卵巣の品種間交互移植及びSDS-電気泳動法によって調べた結果、これが血清中に存在する蛋白質に依存し、卵巣による選択的な取り込み機構の違いによることを明らかにした(山下)。2)卵殻を形成する蛋白質を分析し、A、B、C群及びシスティンの多いHc群に分類し、A、Bは主に発生段階の中期、Hcは後期に合成されることを見い出し、クワコでは特に最外層にHc蛋白が多く、家蚕とクワコでは卵殻の最外層の組成が顕著に異なることを明らかにした(古賀)。3)卵巣の交換移植や除脳永続蛹への既知の昆虫ホルモン投与などによって、卵巣発育の内分泌機構について検討した結果、5齢幼虫卵巣から完成卵への誘導が化蛹初期段階で決定されること、また卵巣発育にはPTTHとEcdysoneが有効であること等を明らかにした(普後)。 〔II〕精子形成:2倍体、3倍体及び4倍体蚕における有核精子と無核精子の形成機構について比較検討した結果、倍数体蚕及び2倍体蚕ともに、将来無核精子を形成する精母細胞はレプトテン期を経過しないことを見い出し、両精子の分化決定時期は精原細胞から精母細胞のレプトテン期に至るまでの間に存在することを推定した(勝野) 〔III〕不妊性:無脚蚕apの不妊化の原因が雌蛾に存在し、交尾襄形成組織の退化による射精阻害と色素塊の形成による精子管の精子通過障害によって引き起こされることを見い出し、更にこれらの異常化はap遺伝子ホモの場合にのみ発現することを明らかにした(須貝)。 〔IV〕雌雄蛾生殖腺の機能:家蚕の精子にエネルギーを供与する系は、アルギニン分解カスケードであって、前立腺分泌液中のエンドペプチダーゼがその引き金となっていることを見い出し、さらに、この代謝系には、その共軛する解糖系が必要であることを明らかにした(小山内)。
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