研究課題/領域番号 |
63304016
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小島 邦彦 東北大学, 農学部, 教授 (70005669)
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研究分担者 |
山谷 知行 東北大学, 農学部, 助教授 (30144778)
森 敏 東京大学, 農学部, 助手 (90011915)
茅野 充男 東京大学, 農学部, 教授 (10007677)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 教授 (40001440)
高城 成一 岩手大学, 農学部, 教授 (60005999)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | ストレス選抜 / 組織培養 / 酸性土壌 / 塩類土壌 / 重金属 / アルミニウムイオン / 塩化ナトリウム / カドミウム |
研究概要 |
不良土壌における作物生育を想定して、植物培養細胞をミネラル・ストレス下に培養して、生理的レベルでの応答を調べ、幾つかの新しい知見がえられた。その代表的なものは次のようである。 (1)酸性土壌を想定したアルミニウム(Al)並びに低リン酸ストレスに対する応答;ストレス選抜によってえられたAlイオン耐性のニンジン培養細胞を再分化、その復原植物からの種子にもAlイオン耐性が認められた。また難溶性AlPO_4を唯一のリン酸源として選抜したニンジン培養細胞では、培地中のAlPO_4に応答してクエン酸を放出し、AlPO_4を可給態化してこれをリン酸源として利用可能なことがわかった。 (2)塩類土壌を想定しての高塩化ナトリウム(NaCl)に対する応答;由来する植物種の違いによってカルスの高NaClに対する耐性または応答は異った。ダイズ、コ-ヒ-はNaの吸収を抑制ができず、Kを高く維持しようとするが、非常に弱かった。他方、ヨシ、サトウキビではNa吸収が抑制され、Kは高く保持され、とくにプロリンの蓄積が認められた。プロリン、ベタインの添加実験から、この蓄積自体が耐塩性を示すのではなく、補助的なもので、体内のNaの局在化機構が重要と考えられた。 (3)汚染土壌とくに重金属汚染土壌を想定してのカドミウム(Cd)に対する応答;イネ並びにタバコカルスをCdストレス下に培養した結果、メタロチオネインを生体内に生成した。その量は、Cd当たりに換算した場合、選抜圧がかかる程その値が大きくなり、メタロチオネインがCd耐性に関与することが推定された。なお、まだ耐性系統を確立するまでには至っていない。
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