研究課題/領域番号 |
63304025
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
後藤 仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003072)
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研究分担者 |
平賀 千兼 埼玉医科大学, 講師 (30105910)
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
浦沢 正三 札幌医科大学, 教授 (00045379)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
太田 千佳子 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (10176894)
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キーワード | ロタウイルス / 各種動物由来 / 血清型別 / 遺伝子組換え体 |
研究概要 |
ロタウイルスは哺乳類から鳥類までの各種動物に分布し、これら動物の急性下痢症をひき起こす。本ウイルスは内殻と外殻の両蛋白抗原で5群、2亜群、7血清型に分類されている。このうちA群、I、II亜群の3、4型ウイルスはヒト・サル・イヌ・ウマ・ブタなどの多種動物から分離され、これはヒトと動物用ロタウイルスワクチンの開発上からも注目されている。本研究では、血清型を異にするウイルス株が、各種動物間でどの程度存在するか、また遺伝子組換え体ウイルスの作出、の2点について検討した。(1)血清型別:子馬下痢症由来のウイルスと既知の代表ウイルスの高度免疫血清での交差中和試験により、従来の馬由来ウイルスのH1株(亜群I・血清型5型)およびH2株(亜群不明・血清型3型)には属さない新型(亜群1・血清型6型)ウイルスが分離同定された。また野外での下痢哺乳豚から18株の豚ロタウイルスを分離しこれら分離ウイルスで作製した高度免疫血清による交差中和反応により豚には少なくとも7種以上の血清型が存在することを明らかにした。一方、ドバトから分離したトリロタウイルス(PO-13株)は各動物由来のA群ロタウイルスと血清学的に交差し、わが国の鳥類にはA群ロタウイルスの存在することをはじめて明らかにした。また日本各地より収集した600例のロタウイルス下痢症患児便について、血清型1〜4型特異単クロン抗体によるELISAでウイルス型別を行った結果、62年冬は1型(59%)、63年冬は1,2型(43%,47%)の両ウイルスの流行のあったことが判明した。(2)遺伝子組換え体:血清型3と4型ウイルスの培養細胞への同時感染により、血清型3型ウイルスのVP7と4型ウイルスのVP3の両ウイルス蛋白を合せ持つ遺伝子組換え体を作出し、この組換えウイルスによる高度免疫血清は3型と4型の両血清型ウイルスを中和することを確認した。
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