研究課題/領域番号 |
63304034
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 紘一 東京都臨床医学, 総合研究所遺伝情報部, 部長 (80011948)
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研究分担者 |
佐々木 實 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10080003)
高橋 健治 東京大学, 理学部, 教授 (70011533)
杉田 秀夫 精神, 神経センター・神経研究所, 所長 (80009951)
市原 明 徳島大学, 酵素科学センター, 教授 (20035405)
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
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キーワード | プロテアーゼ / プロテアーゼインヒビター / カルシウムプロテアーゼ / ATPプロテアーゼ / プロセシング |
研究概要 |
本年は初年度でもあり、各班員は各自の系を作ることに重点をおいた。カルシウム依存性プロテアーゼ(CANP)系では、鈴木はCANPがプロテインキナーゼCの分解に関与することを示し、村地はヒト白血病ウイルスがTリンパ球に感染するとmCANPおよびCANPインヒビターの発現が誘導されることを示す結果をえた。上林と富岡は血小板におけるCANPの機能の解明を目ざし、上林はまず血小板中でCANPの活性をおさえるインヒビターを開発し、カルペプチンと命名した。富岡もNCO700がCANPの特異的なインヒビターになることを明らかにした。これらの阻害剤は血小板の凝集をおさえ、CANPによるフィラミンの分解をおさえた。リソゾームのプロテアーゼ系では勝沼はカテプシンB、Lのクローニングを行い、加藤はB、Lのプロセシングがリソゾーム内で酸性プロテアーゼ、おそらくカテプシンDでおこることを明らかにした。高分子量多機能プロテアーゼに関しては、杉田はK562細胞よりATP依存性のタンパク分離酵素を単離し、これが高分子量多機能プロテアーゼであると同定した。市原はラツト肝の酵素のサブユニットの1つをクローニングし構造を決定すること共に、電子顕微鏡による立体構造の解析、サブユニット組成の分析を行った。佐々木はヒト赤血球の酵素のCDANのクローニングを続けている。プロセシング酵素については、村上はレニンの、中西はラットのTおよびKキニノゲンの遺伝子の構造と発現の様子、さらに遺伝子産物のプロセシングの研究を行い、松尾は酵母のプロセシング酵素KEX2を単離し構造を推定した。高橋はシナプトソームのプロテアーゼの精製を行い、脳ペプチドのプロセシングにおける機構を調べた。宮武は脱髄性疾患との関連においてCANPの局在を調べ、CANPが髄鞘内に存在し、ミエリン塩基性タンパク値をCANPが切断することを証明した。
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