研究課題/領域番号 |
63304041
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
山口 雅也 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50038618)
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研究分担者 |
柏崎 禎夫 北里大学, 医学部, 教授 (20050429)
柏木 平八郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60015972)
水島 裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40010409)
粕川 禮司 福島医科大学, 医学部, 教授 (80045632)
恒松 徳五郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (40026852)
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キーワード | スチル病 / アンケート調査 / 不明熱 / 関節炎 / フェリチン / ステロイド / 感染性因子 / 診断基準 |
研究概要 |
1.全国の臨床免疫の専門分野をもつ57施設を対象に、成人スチル病のアンケート調査を行なった。1次調査の結果、42施設より回答があり、総患者数は181例であった。 2.さらに、上記施設に2次アンケート調査を行ない、31施設より142例に患者について詳細な情報を得た。(1)これらの患者をまず予備分類として、A群(確実だと思われる例)58例、B群(ほぼ確実と思われる例)68例、C群(疑い例)16例に分類し、その臨床像を検討した。(2)その結果、A・B群ともに女性が男性の1.5〜2倍と多く、発症年令は16〜25才にピークを認めた。発熱と関節痛はほぼ100%に、定型的皮疹も80%以上に認められた。咽頭痛はA群で73%に肝脾腫は約半数に認められたが、心肺症状は10%以下と本邦では少なく、これは従来の報告と同様であった。また、薬剤アレルギーを示した患者が約半数にものぼり、何らかのアレルギー素因の存在が示唆された。検査データでは、白血球増加はA群で100%、B群で70%にみられ、核左方移動も高率であった。血沈亢進は全例に、肝機能異常も80%にみられた。自己抗体はA群で100%、B群でも80%以上が陰性であった。血清フェリチンは約80%の患者で増加しており、今後、さらに正確な感受性・特異性の検討が必要である。血清ウィルス抗体価は約半数が陽性であったが、特定のウィルスの関係は否定的であった。(3)治療の主体は非ステロイド消炎剤とステロイドであるが、大部分の患者で最有効薬剤はステロイドであった。 3.新規患者の特殊検査(IL、PG等)では有意の異常はなかった。 4.次年度は、引き続き個々の患者の再評価、対照疾患の調査を行ない、それをもとに診断基準の作成、治療指針の策定をはかる予定である。
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