研究課題/領域番号 |
63304041
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
山口 雅也 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50038618)
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研究分担者 |
柏崎 禎夫 北里大学, 医学部, 教授 (20050429)
柏木 平八郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60015972)
水島 裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40010409)
粕川 禮司 島根医科大学, 医学部, 教授 (80045632)
恒松 徳五郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (40026852)
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キーワード | 成人スチル病 / アンケ-ト調査 / 不明熱 / 診断基準 / ステロイド / フェリチン |
研究概要 |
1.アンケ-ト調査より、最終的に146例の成人スチル病患者の詳細な情報が得られ、これより研究分担者全員の検討によって90例の確実例が選び出された。同様のアンケ-ト調査により、血清反応陰性関節炎、血管炎、敗血症、不明熱の合計267例の対照疾患群の情報が集められた。 2.成人スチル病確実例および対照疾患例の臨床デ-タにより、各臨床項目の感度と特異度が計算され、それをもとに診断に有用な9項目を選抜した。さらに、以下のごとく、診断にもっとも重要な4項目(大項目)とその他の5項目(小項目)とに分けられた。大項目:1)最高体温39℃以上で1週間以上持続する発熱、2)2週間以上持続する関節症状、3)定型的皮疹、4)80%以上の好中球増加を伴う10,000/mm^3以上の白血球増加、小項目:5)咽頭痛、6)リンパ節腫脹あるいは脾腫、7)自己抗体陰性、8)肝機能異常、9)血清フェリチン著増(正常上限の4倍以上)。 3.この9項目のうち、血清フェリチンに関しては記載例が少ないため、これを除いた8項目を成人スチル病90例、対照疾患267例に適用したところ、大項目2項目以上を含む総項目5項目以上とした場合に、その診断は感度96%、特異度92%となり、この案が研究分担者全員の会議で採択された。ただし、血清フェリチンは満足する総項目数が5項目のときにもっとも診断効率を高くすることより、血清フェリチン著増の項目を含めた案(大項目2項目以上を含む総項目6項目以上)はさらに特異度を高めると考えられる。 4.治療に関しては、本邦例では大部分がNSAIDのみでは活動性をおさえきれず、ステロイド少量〜中等量がもっとも有効であった。 5.検査例数は少ないが、特殊検査(IL,PG)では有意の異常はみられず、検査所見からはフェリチンが本疾患の病態に深くかかわっている可能性が示唆された。
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