研究課題
1987年2月に大マゼラン星雲中におきた超新星SN87aについては、爆発と同時に神岡の実験場でニュートリノが観測された。つづいて1987年8月にはX線科学衛星「ぎんが」により軟X線成分が観測され、ほぼ同時期からソ連の「クヴアント」により硬X線成分も検出されている。我々はこれらデータをもとに超新星爆発の機構、その際の元素合成、X線、ガンマ線の発生機構、超新星残骸中に生れると考えられるパルサーの可能性について、幅広く研究者を組織し、総合的な検討を行った。これらの検討をもとに硬X線成分、超新星爆発の際生成する^<56>Coからのガンマ線の直接観測を行うべく気球実験を計画し、実行に移した。このため高感度、低ノイズの硬X線およびガンマ線検出器を2種類開発し、1988年11月から12月にかけて南半球のブラジルにおいて実験を行った。気球実験は3回行われたが、内1回は放球に失敗したが、2回は観測を行うことが出来て、現在解析中である。現在までの解析の結果では検出器は正常に作動し、これまでの実験にくらべて著しく低ノイズの検出器であったことが確められている。詳細の解析は現在進行中である。1989年1月17日には総合研究A「大マゼラン雲の超新星SN1987aの総合的研究」(研究代表者;野本憲一)と合同で3日間にわたりシンポジウムを開き超新星1987aに関する総合的な検討を行った。
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