研究課題
本研究の目的は、遺伝資源の保全と利用に関する研究の現状の調査と、今後の研究計画の検討を行うものである。全体をつぎの5つの課題に分け、それぞれの分担者により、その分野の研究の総括を行い、今後とくに推進すべき研究の提案をおこなった。すなわち、(1)探索収集の面では、生態環境と遺伝子型分化の研究を通じて探索収集の基礎理論を確立すること、(2)貯蔵による保存の面では、短命種子や、栄養系の保存に関連して、個体の矮化保存の研究、凍結保存法の研究、カルスの貯蔵と変異の検出の研究、レカルシトラント種子の長期保存の研究など、(3)繁殖集団としての保存の面からは、集団構造の解析と、集団の遺伝的変化に対する種々の要因のモデル化と理論の構築、(4)利用と関連した特性の評価の面では、DNAレベルでの特性の解析が、(5)遺伝資源の情報に関する面では、遺伝資源の収集、保全、利用に関する有効なデータベースの構築とその有効な管理システムの開発の研究が提案された。