研究課題/領域番号 |
63400005
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高谷 好一 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90027582)
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研究分担者 |
福井 捷朗 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10027584)
海田 能宏 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026452)
坪内 良博 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00027583)
前田 成文 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50027588)
矢野 暢 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60033734)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 東南アジア / フロンティア / 開拓 / 移転・移住 / プランテ-ション / 事例研究 / 価値観 |
研究概要 |
成果としては2種類のものを出しえた。ひとつは事例研究を踏まえて行ったより一般的、理論的な成果である。 前者としては3つの事例を明確にした。第一は20世紀初頭のマレ-半島のゴムプランテ-ションと都市を対象としたものであって、そこではフロンティア性と死亡率が極めて高い問題にあることが明らかになった。第二の事例は東北タイの天水田を対象にしたものだが、過去100年間の開拓史を明確にし、この天水田フロンティアの社会が、いかに人の移動を前提にして構造化されているかを明らかにした。第三の事例はスラウェシの熱帯多雨林低湿地である。地球上で最後に残されたこの未開地が現在どのように開拓されているかを明らかにしている。 理論的な考察の結果導き出されたものは以下のようなものである。 第一には東南アジアのフロンティアは循環的な動きだということが明らかにされた。人が動き、出会いがあり、メスティソ的な世界の創出があり、今度はそれが祖型になって叉動く。フロンティアというのはこういう循環だということが明らかにされた。 第二にはフロンティアの認識論的検討である。砂漠系の人達の考えるフロティアと森系の人達の考えるフロンティアでは本質的な違いのあることが明らかにされた。 第三には東南アジアのフロティアは単なる周辺ではなく、創造性豊かなネットワ-ク社会であることが明らかにされた。これは東南アジアのフロンティアの積極的許価につながっている。 最後に東南アジアのフロンティア性の真の理解のためにはフロンティアと野蛮人を結びつける欧米人風の「フロンティア」観の克服こそが必要という結論になった。
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