研究課題/領域番号 |
63400007
|
研究機関 | 日本獣医畜産大学 |
研究代表者 |
石田 卓夫 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (30143506)
|
研究分担者 |
石崎 良太郎 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (00112970)
友田 勇 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (00011859)
鷲巣 月美 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (20191736)
|
キーワード | ネコ / レトロウィルス / AIDS / 後天性免疫不全症候群 / 免疫学 |
研究概要 |
1.疫学 動物病院に来院した猫4895頭より採血し913例(18.7%)の抗体陽性例を検出した。また保存血清の調査で、本ウィルスが少なくとも1980年初頭には、猫に感染していたことがわかった。 2.ウィルス分離、抗体陽性猫から末梢血リンパ球を用いてウィルス分離を試みたところ、31例よりFIVが分離された。FIVを含む培養上清を5頭のSPF子猫に静脈内接種すると、4ー7週目より抗体陽性となった。 3.臨床および病理、抗体陽性と判定された猫700例について、その病態を詳しく追跡したところ、人間のHIV感染の各病期の相当する病期に分類することが可能と思われた。すなわちFIV感染症では、急性期、無症状キャリアー、PGL、ARC、AIDS5期が見られることが、臨床的、病理学的研究よりわかった。最終的には極度の削痩、貧血、または汎血球減少症、日和見感染または腫瘍を特徴とするAIDSの病期まで進展し、多くが死亡していることがわかった。FIV感染猫では、人間のHIV患者同様の、過形成と異形成の2種類のリンパ節病変が存在し、臨床的病期分類と密接な関わりがあることがわかった。 4.免疫学的評価、無症状キャリアー(AC)、AIDS関連症候群(ARC)、AIDSの病期の末梢血リンパ球について、Con Aによる刺激試験を行ったところ、反応性はSPF猫に比べACですでに50%、ARCで80%、そしてAIDSでは90%以上減少していることがわかった。各病期に特有のリンパ球反応性の範囲があり、Tリンパ球サブセットの検討ができない猫で、比較的容易に免疫的病期判定ができるものと考えられた。
|