研究課題/領域番号 |
63410002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相場 覚 北海道大学, 文学部, 教授 (40000559)
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研究分担者 |
田山 忠行 北海道大学, 文学部, 助手 (50163704)
瀧川 哲夫 北海道大学, 文学部, 助教授 (30098503)
阿部 純一 北海道大学, 文学部, 助教授 (40091409)
今井 四郎 北海道大学, 文学部, 教授 (70000586)
寺岡 隆 北海道大学, 文学部, 教授 (70000552)
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キーワード | 速度評価 / 視的運動順応 / 接近運動 / 周辺視 / 断続的運動 / 時間導関数 / よりひも錯視 / 位置の補間 |
研究概要 |
本年度の研究活動は、昨年度の研究のうち未完成であったものを完成させ、また昭和63年度から4年間にわたって継続されて来た本研究を完結させ、そのまとめを行なうことに集中された。 [1]完成した研究 (1)視的運動順応による速度評価の変化 種々の速度で運動している対象を2分間注視させ、その後も間欠的に同様に運動対象に順応させた場合、その後提示された運動対象の見かけの速度は、順応刺激の方向にかかわらず減少した。しかし提示運動対象の速度が低い場合には順応の方向性がみられるた。運動対象が接近運動をシミュレ-トした場合の方が2次元の運動の場合よりも順応の効果は大であった。 (2)周辺視における視的速度 離心度3度と10度では対象の見えの速度に違いがなかった。一方前述の順応実験ではこれらの離心度の間に明らかな違いが見られた。すなわち離心度10度の条件では順応の方向選択性が離心度の少ない他の条件より顕著だった。 (3)接近運動対象の断続および連続的提示条件下の定位についての一連の研究から、網膜像の大きさの変化の時間導関数がそのひとつの要因であることが示された。また断続提示条件の対象の定位は、単純な離散的位置の補間(たとえば平均化)だけからは説明できないことがわかった。 [2】まとめ この4年間の運動の認知過程についての研究を通じて、一方において我々をとりまく、物理的拘束条件をともなった外的世界についての内的表象、他方において我々の視覚系に組み込まれた視覚的情報処理メカニズムの理解こそがともに運動認知過程の解明に重要なものであることが明らかにされた。
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