研究課題/領域番号 |
63410008
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
吉村 忠典 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (60017704)
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研究分担者 |
有光 友学 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80018019)
木村 英亮 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70012391)
鶴見 尚弘 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30076400)
菊地 康明 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (20018047)
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キーワード | 古代ローマ / フランス / 帝国 / 魚鱗冊 / 賊役黄冊 / 佃戸 / ソ連・中央アジア / 民族 / ナゴルノニカラバフ / 公事検地 / 寺領図 / 葛山氏 / 道教 / 神祗祭祀 / 人形(ヒトガタ) |
研究概要 |
本年度は、2年計画の第一年度であり、内定、研究費示達があって、研究に着手しえてまだ半年程度しかたっておらず、基磯的研究の段階である。 吉村は、ローマがB.C.2世紀以後支配下においた南フランス、B.C.1世紀後半以後支配下においた、中部・北部フランスからライン河口に到る地域における社会、経済の変容を大局的に見渡した上、とくにA.D.1世の中部・北部フランスの社会・経済の変容を追求した。そのさい、従来「古典古代」的カテゴリーによってケルト社会を説明していたのを修正した。菊地は、日・中・朝三国間の古代における文化交流について、再検討を加え、従来、日本の神祗祭祀については、日本固有の習俗と考え、大陸文化の影響を否定する見解が有力であったのにたいして、最近各地の遺跡から出土する例の多い祭祀遺物ーとくに人形ーや、神話に見える古い祭祀観をとり上げて、道教の影響を具体的に検討した。 鶴見は、中国王朝権力の農民支配のあり方を明らかにするための一作業として、明代魚鱗図冊に関する統計的分析を行った。最近、中国で朱元璋建国以前に作成された魚鱗冊が発見された。これを分析した欒論文によると、形式的に明初の魚鱗冊と異なることが明らかにされた。これをうけて、明初魚鱗冊の定式の系譜について、調査・研究を加え、ほぼ元末浙江地方であることを明らかにし、明代農民支配のあり方が、元王朝のそれを踏襲している面を明らかにした。木村は、日本及びソ連におけるソ連民族関係研究を概観してソ連民族地域の現状と問題点を明らかにし、また戦後のソ連・東欧史の概説もおこなった。さらに事例研究としてナゴルノニカラバフをとりあげ、その前提としてアルメニアにおけるソビエト政権成立時の諸問題についてまとめた。有光は、日本中・近世国家統一の前提となった戦国期について、とくに今川氏の領国における史料収集に努め、一部紹介した。
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