研究課題/領域番号 |
63410008
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
吉村 忠典 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (60017704)
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研究分担者 |
有光 友学 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80018019)
木村 英亮 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70012391)
鶴見 尚弘 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30076400)
菊地 康明 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (20018047)
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キーワード | 帝国 / 民族 / 古代ロ-マ / 魚鱗冊 / 張鼓峰事件 / 明 / 戦国大名 / 東アジア |
研究概要 |
本年度は2年計画の2年目であり、昨年度に続き研究を継続すると同時に、一区切りをつけるよう努めた。本年度はとくにソ連・東欧を中心とする情勢に大きな示唆をうけたが、このテ-マにかんしては、プロジェクト終了後も研究を進めていくつもりである。 研究代表者吉村は、ロ-マ帝国とガリア社会についての研究を深めるとともに、この共同研究の出発点である「世界帝国」の概念を明確にするため、西洋におけるエンパイアの概念をとりあげ、それが19世紀後半の「帝社主義の時代」において、古代ロ-マ古典期の「帝国」のルネッサンスとして改めて歴史的意味をもつようになったことを強調した。 菊地は、隋唐帝国期7〜9世紀の日本古代国家統一過程の分析をすすめる一環として日唐の宗教の比較研究をおこなった。 鶴見は、東アジア・中央アジア研究を分担し、前年にひきつづき明代「魚鱗冊」の系譜を問題とし、明朝が本来遊牧民であるモンゴル王朝が農耕民である漢人支配のためにおこなった個々の改革を受け継ぎながら現実的に改革をおこなったことを明らかにした。 木村は、ソ連における社会主義と民族の問題についてこれまでおこなった研究をまとめるとともに、ケ-ススタディとして、ソ連邦結成以後はじめての本格的戦闘であった張鼓峰事件をとりあげ、大粛清、朝鮮人強制移住のさなかのこの事件の歴史的意義を再検討しようとした。 有光は、16世紀における中世国家から近世国家への移行を明帝国成立を発端とする東アジアの動きに対する日本の対応ととらえ、戦国大名権力及びその支配領国は、中世国家と基本的には変らないものであるが、それは結局農臣政権によって解体されるものでしかなかったとした。 以上の成果の一部は、報告書にまとめられている。
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