研究課題/領域番号 |
63410012
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
田中 浩 一橋大学, 社会学部, 教授 (20015358)
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研究分担者 |
吉田 裕 一橋大学, 社会学部, 助教授 (20166979)
加藤 哲郎 一橋大学, 社会学部, 助教授 (30115547)
久富 善之 一橋大学, 社会学部, 助教授 (40078952)
矢沢 修次郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (20055320)
中内 敏夫 一橋大学, 社会学部, 教授 (70017135)
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キーワード | 国民教育 / 市民教育 / 教育改革 / 国民統合 / 私塾 / 教育勅語 / 生活綴り方 / 生涯学習 |
研究概要 |
1.重点的調査地として熊本、大阪、北海道をとりあげ、各時期における学校教育の普及と高度化、民間の教育活動の実態などについて多くの知見をえた。例えば、明治初年の熊本県における公立中等教育と大江義塾など民権私塾の対抗は、たんに教育上のそれにとどまらず、国家構想と国民形成をめぐる政府側と民間勢力との激しい政治的対決をはらみながらくりひろげられた典型的事例として検証することができた。また大阪においては、国民教育と企業教育との関連について合理性と道徳性をめぐる特殊日本的融和形態の歴史的展開を実態把握することができ、北海道では障害児運動、医療生協運動等の市民教育活動の実態などユニークな事例研究にとりくむことができた。 2.個別的調査として、東北各県、静岡県各地をはじめ多くの地域で実態調査を進め、明治期の私塾と私立学校、大正期の生活綴方教育、昭和戦前期の国民精神総動員運動における官製組織と半官半民団体の実態と活動、戦後初期の市民的講座の地域的広がり、初等教育と中・高等教育それぞれの理念の歴史的変遷とその担い手としての各種教育団体の実態などについて関係者からの聞きとりを含めてぼう大な資料を収集することができた。これらの資料整理は進行中であり、各研究分担ごとに成果の中間的取りまとめを報告・発表してきた。 3.研究打合せ会において各自の調査結果について報告するとともに明治維新以後現代に至る各時期における国民統合の特色と国際比較・教育史の時代区分と領域区分、各時代における大学・ジャーナリズムなど知的世界が果した政治的役割などについて共同研究を行った。 4.共同調査・個別調査など平成元年度も継続し、学校教育制度と自覚的市民学習、企業や青年団など各種集団における教育活動の実態など政治的統合機能との関連で研究成果のとりまとめを行う。
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