研究概要 |
原始星の進化を統計的に研究するために、4メートル短ミリ波望遠鏡を用いた分子スペクトル(^<12>CO,^<13>CO,C^<18>O;J=1ー0)の観測を行なった。今年度は、受信器の超伝導化とスーパーミニコンピュータの導入によって、飛躍的に観測効率の向上がはかられた。さらに、マイクロプロセッサとPCD型フォトダイオードアレイを用いた新型分光計が予定通り稼動を始めた。新型分光計はデータ取りこみにおけるデッドタイムを極力抑制しており、特に一点あたりの観測時間が30秒以下という高速観測において高い効率を達成している。 分子流天体については、我々のグループによって発見されたものが総数50個をこえており、統計的研究のためのサンプルとしてより一層質が向上した。前年度得られていた「分子流天体における光度超過」の傾向が一層明らかになった。 分子雲コアについては、^<13>CO、C^<18>Oスペクトルによる広域観測がスピードアップしたことによって、データベースが急速に拡張されつつある。特に^<13>COスペクトルは全体で約3万点が既に取得されており、分子雲コアの総数はほぼ倍増した。
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