研究課題/領域番号 |
63420006
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南園 忠則 大阪大学, 理学部, 教授 (20028210)
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研究分担者 |
溝淵 明 東京大学, 原子核研究所, 教授 (40028121)
福田 光順 大阪大学, 理学部, 助手 (50218939)
松多 健策 大阪大学, 理学部, 助手 (50181722)
野尻 洋一 大阪大学, 理学部, 助教授 (90028233)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 弱核子流 / 擬ベクトル流 / 非対称ベ-タ崩壊 / 整列相関項 / ボソン / 重イオン加速器 / スピン制御 / 鏡映磁気モ-メント |
研究概要 |
弱核子擬ベクトル流の時間成分は核子の移行運動浦量に依存するためにソフトパイオンの寄与が40%と巨大である。この時間成分は非対称ベ-タ崩壊のスピン整列相関項の測定から一義的に決められる事を示した。一方擬ベクトル流部分保存則(PCAC)による予言も容易であるので両者の比較は容易でありその結果β崩壊、カイラル不変性ひいてはボソンとしてのパイオンの本質を探る事が出来るという、他には例を見ない重要な量である事が分かった。このような研究を進めるために、鏡映対称をなす2つのβ崩壊核の整列相関項の、また0^-ー0^+ガモフテラ-遷移の遷移強度の精密測定を進めた。ところがこの時間成分は弱磁気項と同程度の小さな量であるので実験的な測定方法の開発がまず必要である。そこで要求される条件は、高い統計と下地計数無しの計測が不可欠である。次に、スピン制御が不可欠であり、このためにはまた研究対象核の超微細構造相互作用の研究が進められなければなならなかった。また、β線角度分布を、β線エネルギ-の関数で決定する等の方法を導入し、特に精度向上のために核反応装置、検出装置をβ線散乱の少ない原子番号の小さい材料で製作した。A=16体系の0^-ー0^+遷移のβ崩壊寿命の測定では、特に核反応槽なしの即ち散乱体最小の新機軸にもとずく測定を行ない、信頼性の向上のためにβ線エネルギ-スペクトルの高精度測定をも可能にした。この副産物として、弱磁気項が決定できて、核内核子を探索子とすることに成功した。 このような「スピン偏極核分光」の研究方法の開発が最重要であった。このために、「同位元素分離器」と分離イオンの加速器としての「高周波加速器」を結合する研究方法を新たに開発した。また、高エネルギ-重イオン核反応で生成する入射核破砕片の持つ特性を利用した「破砕片分離器」を世界で初めて開発建設して、反応過程で直接スピンを偏極する方法を完成させて実用化した。
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