• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

ポジトロニウム崩壊過程を用いた電磁相互作用の研究およびアクシオン探索

研究課題

研究課題/領域番号 63420008
研究機関東京都立大学

研究代表者

広瀬 立成  東京都立大学, 理学部, 教授 (70087162)

研究分担者 千葉 雅美  東京都立大学, 理学部, 助手 (60128577)
喜多村 章一  東京都立大学, 理学部, 助手 (60106599)
キーワードポジトロニウム / コンプトン散乱 / 制動輻射 / 4光子崩壊 / ガンマ線スペクトロメ-タ-
研究概要

1 多重ガンマ線スペクトロメ-タ-の最終調整とデ-タ収集
スペクトロメ-タ-本体およびデ-タ収集系、オンラインプログラム等を個別に検査した上で、ポジトロニウムからの2光子崩壊を用いて、装置の総合テストを行った。^<68>Geの放射線源の強度を上げ、かつ物質量の少ない接着剤で固定するために種々の化学的な試行を重ねた。結局、6μCiのソ-スを用いてデ-タ収集を開始した。一重状態からの4光子崩壊過程の観測に対して、オンラインによりデ-タを選別した。32本という多数のカウンタ-を配置することによって、運動量・エネルギ-保存の検定が可能となり、2光子、3光子崩壊による圧到的なバックグランドを効率よく排除することができた。
2 バックグランドの推定
2光子・3光子崩壊過程で発生する光子が、コンプトン散乱したり、電子あるいは陽電子からの制動輻射が混入すると、見かけ上4光子・5光子崩壊過程が発生したかのように誤認される。そこで、電磁相互作用の高次効果を取り入れたモンテカルロ・シミュレ-ションプログラムを作製して、予想される29種の反応過程につきバックグランドの大きさを推定するとともに、その抑制方法を検討した。すなわち、生成光子のエネルギ-と運動量の測定値に適切な条件を加え、バックグランドの混入を10%まで押さえることができた。
3 4光子崩壊過程の測定
4か月間のデ-タ収集の後、バックグラウンドの除外によって25イベントが残った。これから4光子崩壊率と2光子崩壊率の比が(1.17±0.24)×10^<-6>と求められた。これは1標準偏差内で量子電気力学の予想値と一致している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Hirose,M.Chiba他: "Search for Isolated Photons from Flavor-changing Neutral Current Decay of a New Quark at TRISTAN" Phys.Rev.Lett.63. 1776-1779 (1989)

  • [文献書誌] T.Hirose,M.Chiba他: "Measurement of the differential Cross Sections of e^+e^-→gamma gamma and e^+e^-→gamma gamma gamma at √<S>=55,56,56.5 and 57 GeV and search for unstable photino pair production" Z.Phys.C-Particle and Fields. 45. 175-191 (1989)

  • [文献書誌] T.Hirose,M.Chiba: "A Study on Single Photon Production at √<S>=54.0-61.4GeV" Phys.Lett.B.232. 431-436 (1989)

  • [文献書誌] 広瀬立成: "超ひも理論と「影の世界」" 講談社, 243 (1989)

  • [文献書誌] 広瀬立成(分担執筆): "制御の世紀" 日本工業新聞社, 11 (1989)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi