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1988 年度 実績報告書

西南日本沖海底湧水帯の連続精密測定に基づくプレート沈み込み過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63420012
研究機関東京大学

研究代表者

小林 和男  東京大学, 海洋研究所, 教授 (10013559)

研究分担者 飯山 敏道  千葉大学, 理学部, 教授 (90107699)
古田 俊夫  東京大学, 海洋研究科, 教務職員 (30107461)
酒井 均  東京大学, 海洋研究所, 教授 (00033126)
平 朝彦  東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
瀬川 爾朗  東京大学, 海洋研究所, 教授 (60013570)
キーワード南海トラフ / 海底湧水帯 / プレート沈み込み過程 / 海底間隙水 / 海底電位変化計 / 海底ステーション
研究概要

本年度は2年継続の初年度に当るので、予定海域の精密予備調査を行った。特に、昭和63年8月に第五海工丸で測定した連続音波探査記録を詳しく解析し、対象海域の地下構造を検討すると共に、水路部によりつくられたシービーム5万分の1海底地形図から詳細な地形断面をつくり、本計画のための海底ステーション最適候補地を選定した。ステーションに設置する海底電位変化計は完成し、十分な陸上テストを経て淡青丸航海で実海域テストし、付属部品とも作動は良好であることを確認した。海底の湧水を純粋に現場で採取する装置一式も製作し、テストした。これらの一部は海洋科学技術センターが運航する潜水調査船「しんかい2000」に搭載し、相模湾の水深約1000メートルにおいて設置、作動のテストを行った。これらの状況はほゞ予定通りであり、本年夏に、西南日本沖(南海トラク東部陸側斜面先端部)にこれらの測器を設置し同地点の堆積物中の間隙水を純度よく採取分析して、同地域に存在するしろうり貝などの深海底生物群落のえさともなる冷湧水の湧出状況を物理的、化学的、地質学的にモニターして、それらの源となる海底地殻の沈み込みとそれによってひき起される地殻内横圧力の大きさと変動を知ることは十分可能となった。この結果は現在進行中の沈み込み帯における海底間隙水の循環機構を解明する大きな手掛りとなり、東海地震の予知に一つの新しい面をひらくと共に、これらメタンを含む間隙水が長期間熟成されてより高級な炭化水素に進化することから海底石油・天然ガス生成過程に重要な示唆を与える。さらに、陸上に露出する古い地層中のデコルマ面(遊離滑り面)の発生機構の解明の鍵となる情報が得られる見通しである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 瀬川爾朗,藤本博巳: 「しんかい2000」研究シンポジウム. 12. 11-12 (1988)

  • [文献書誌] 藤本博巳,瀬川爾朗: 「しんかい2000」研究シンポジウム. 12. 13-14 (1988)

  • [文献書誌] Takaharu SATO;Kazuo KOBAYASHI: Journal of Geomagnetism & Geoelectricity. 41. 147-159 (1989)

  • [文献書誌] 小林和男: JAMSTEC. 1. 32-39 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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