研究課題/領域番号 |
63420019
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大本 洋 東北大学, 理学部, 教授 (60194304)
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研究分担者 |
砂川 一郎 東北大学, 名誉教授 (20004426)
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
林 謙一郎 東北大学, 理学部, 助手 (40124614)
北風 嵐 東北大学, 理学部, 助手 (90035064)
塚本 勝男 東北大学, 理学部, 助手 (60125614)
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キーワード | 鉱物と水溶液の反応のその場観察 / 石膏の溶解度と溶解速度 / 重晶石の溶解度と溶解速度 |
研究概要 |
その場観察法を用いての溶液中における結晶の成長や溶解についての、従来の研究は、約1モル/kgH_2Oより高い溶解度を持つ化合物に限られていた。本研究においては溶解度が通常10^<-2>〜10^<-5>モル/kgH_2Oと非常に低い天然の鉱物について、その場観察法を用いて、溶解度及び溶解・沈澱速度を正確かつ尽速の求めるためには、結晶と水溶液の量比等の実験条件はどうすべきか、また結晶と溶液のどのような変化を測定するべきかなどの実験方法を確立することを本年度の主目標とした。 種々の予備実験の結果、水溶液と結晶の量比は1000倍以上と高くとり、水溶液の組成を除々に規則的に変化させた状態で、結晶表面の形態の時間的変化を測定することにより、溶解度及び溶解速度を±2%以下の高い精度で求められることがわかった。この精度は従来の実験方法と比べ、一桁以上高い。観察すべき結晶表面の形態変化は石膏など10^<-2>モル/kgH_2O程度の高い溶解度をもつ鉱物については、劈開面のステップの前進・後退であり、重晶石など10^<-5>モル/kgH_2O程度の非常に溶解度の低い鉱物については劈開面にできるエッチピットの数と形態であることが解った。 上記の実験方法を用いて、石膏については純水における溶解度及び溶解速度と不飽和度の関係を15〜60℃の温度間について求めることができた。重晶石については25℃において4種類の水溶液(純水、3mNaCl、0.1mHCl、0.01mHCl)中における溶解度及び溶解速度と不飽和度の関係を求めることができた。 さらに300℃、200気圧まで耐える高温高圧用のその場観察用の装置の設計及び発注をおこなった。装置(大島高会製)は最近納入された。次年度からの実験は、この装置を用いて熱水溶液と天然鉱物の反応のカイネテックスのデータを求めることに主眼がおかれる。
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