研究課題/領域番号 |
63420026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
駒井 謙治郎 京都大学, 工学部, 教授 (70025948)
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研究分担者 |
長村 光造 京都大学, 工学部, 教授 (50026209)
大谷 隆一 京都大学, 工学部, 教授 (50025946)
北條 正樹 工業技術院, 製品化学研究所, 研究員
箕島 弘二 京都大学, 工学部, 助手 (50174107)
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キーワード | 先進複合材料 / 繊維強化複合材料 / 高強度繊維 / 高弾性繊維 / 炭素繊維アラミド繊維 / アルミナ繊維 / 動的環境強度 / 水環境 / 超音波顕微鏡 / 超音波顕微鏡フラクトグラフィ / AE波解析 |
研究概要 |
本年度は、樹脂基長繊維強化複合材料(FRP)として一般産業用炭素繊維強化複合材料(CFRP)(高強度タイプ炭素繊維/中温硬化型エポキシ樹脂)、航空機用CFRP(高弾性タイプ炭素繊維/高温硬化型エポキシ樹脂)平滑材と切欠き材、および化学式の異なる2種類のアラミド繊維(ケブラー繊維(デュポン社)とテクノーラ繊維(帝人))強化エポキシ樹脂(AFRP)を、また金属基長繊維強化複合材料(MMC)として、アルミナ長繊維強化アルミニウム(Al_2O_3/Al)平滑材を選んだ。以上の材料を用いてアコースティックエミッション(AE)解析によるその場損傷評価および設備備品として導入した複合材料用超音波顕微鏡による内部損傷評価を行ない、引張り破壊と疲労破壊機構および機械的性質と疲労に及ぼす環境(吸水)の影響を検討した。この結果、超音波顕微鏡により、複合材内部の界面剥離、層間剥離、樹脂割れなどの内部損傷に2次元画像を得ることができ、超音波フラクトグラフィ手法が複合材の内部損傷評価に対して有効であった。すなわち、性質の大きく異なる材料より構成される複合材料では、従来の均質材料に対して多用されてきた損傷評価技術により破壊機構を明らかにすることは不可能であり、本研究で採用した超音波顕微鏡フラクトグラフィおよびAE振幅、AE持続時間、AE周波数などの多パラメータによるAE波解析が有効であることが明らかになった。さらに、複合材の破壊の環境効果は、樹脂の劣化・延性化、界面強度の低下に強く依存して現れ、それらの程度により環境効果が異なることなどを明らかにした。
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