研究課題/領域番号 |
63420027
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松本 浩之 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016416)
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研究分担者 |
足立 忠晴 東京工業大学, 工学部, 助手 (20184187)
笠野 英秋 拓殖大学, 工学部, 助教授 (40016663)
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80016675)
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キーワード | 繊維強化積層板 / 衝撃損傷 / 残留強度 / 損傷評価システム / 繰り返し衝撃 / 疲労寿命 / 4点曲げ試験 / 層間剥離 |
研究概要 |
本研究は繊維強化積層板に衝撃を加えた場合の層間剥離を主とする衝撃損傷の発生のメカニズムを考察し、衝撃損傷部あるいは補修部の圧縮残留強度などについて明らかにすることを目的とする。 落錘式繰り返し衝撃により、積層板の荷重およびたわみを精度よく求め、損傷評価を可能にするシステムを構築した。これにより積層板に損傷が発生する瞬間に高周波成分の信号が衝撃荷重に重畳することが確認できた。また衝撃荷重と積層板のたわみから得られる積層板のコンプライアンス応答を損傷の評価基準とすることを提案した。損傷がない場合や進展しない場合はほぼ等しいコンプライアンス応答が得られ、さらに衝撃を加え損傷が発生あるいは進展した後は応答の極大値が大きくなり、容易に衝撃損傷の進展を評価できることがわかった。 鋼球により衝撃損傷を発生させた積層板に静的に圧縮荷重および4点曲げを加えれば、損傷のない積層板に比較して著しい強度の低下がみられた。さらに衝撃損傷のある試験片に4点曲げによる疲労試験を行い、試験片の衝撃面側に圧縮応力がかかる場合と、引張応力がかかる場合の2種類について考察した。この結果、衝撃面側に引張応力が作用する場合は衝撃損傷のない試験片とほぼ同じ疲労寿命曲線を描くことがわかった。一方、衝撃面側に圧縮応力が作用する場合には衝撃面の衝突痕からき裂が発生、進展し層間剥離と連結して疲労残留強度が著しく低下することが明らかになった。
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