研究課題/領域番号 |
63420044
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
落藤 澄 北海道大学, 工学部, 教授 (50001152)
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研究分担者 |
横山 真太郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002279)
澤登 龍彦 北海道大学, 工学部, 助教授 (30001150)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 高密度生活空間 / 臭気指標 / 室内空気質 / 生体機能 / 空気環境試験室 / 必要換気量 / 合成二分子膜センサ- / ニュ-ラルネットワ-ク |
研究概要 |
都市施設や建物の高密度生活空間は一般に汚染されビル病症候群を誘発するとされているが、その原因は未だ明らかでなく、また室内空気質の評価指標が確立されていない。本研究は、高密度生活空間の臭気源として体臭を取り上げ、まず、各種評価方法の問題点を明らかにし、新しい尺度(原単位)と計測方法を提示することにある。そのために、数次にわたる実験を行い、評価方法の適用性を明らかにすると共に、他の指標との相関を求めた。最後に、空気の感覚成分の総合的評価法のあり方、将来展望について検討を加えた。 具体的には、まず研究に必要な設備ならびに手法の開発に努め、その上で総合的評価法確立のための実験的研究を行った。前者の研究設備ならびに手法の開発では、外国の主要な空気環境試験室に検討を加え、独自の考えを組込んだ空気環境試験室の設計、製作が第一の成果である。研究手法面としては、嗅覚刺激装置の開発、臭気強度、認容性、不快性など5項目からなる室内空気質の主観評価申告用紙の作成をした。さらに、マイクロコンピュ-タを主体とした脳電位、筋電位、心電位、顔面皮膚温など生体機能計測システム開発を行った。 後者の総合的評価法確立のための実験的研究では、臭気強度、認容性、不快性に関する室内空気質の多数にわたる主観評価実験を行った。その中で、Fanger(1988)の臭気原単位にも検討を加え、日本人に対して必ずしもそのまま適用できないことを示した。生体機能計測による室内空気質の評価に関する実験では、嗅覚検査の基準臭5種と心理学的手法で多用されている標準臭2種を中心に検討した。その結果、予想以上にこれらの物質が生体機能に影響を及ぼすことが分った。最後に、臭気指標の確立と総合評価のために、合成二分子膜センサ-による評価実験および総合的評価へのニュ-ラルネットワ-クの応用について検討を行った。
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