研究課題/領域番号 |
63420046
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
長倉 繁麿 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80016261)
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研究分担者 |
山本 直紀 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90108184)
弘津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
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キーワード | Y系酸化物高温超伝導体 / Gd系酸化物高温超伝導体 / Bi系酸化物高温超伝導体 / 高分解能電顕法 / 構造欠陥 / 相転移 / 変調構造 / 4次元空間群 |
研究概要 |
本研究の目的は高温超伝導酸化物の結晶構造や構造欠陥を高分解能電顕法により原子レベルで研究することであるが、本年度に於ては以下の研究成果が挙げられた。なお、研究計画は順調に消化しつつある。 1.高分解能電子顕微鏡(JEM-2000FX、日本電子、200kV)を設置し、性能評価を行ない、本研究を遂行するのに十分な性能を有するものと判定した。 2.Y系酸化物高温超伝導体の構造と欠陥の観察を行ない、双晶構造と構造不整の原子レベルでの解析を行なった。この物質の構造は斜方晶系に属し、C軸方向に各原子面が規則的に積層しているが、Ba原子面間にはさまれたCu原子面で積層不整が出現することを見出し、構造不整を明らかにした。また、軸比b/aが局所的に変動していることを見出し、これは酸素濃度が局所的に変動しているためとした。 3.Gd系酸化物高温超伝導体(強磁性)の眞空中加熱による相転移をその場電顕法により調べ、昇温時には約400℃から双晶構造がくずれはじめ、約500℃で完全に正方晶に転移すること、冷却時には相転移はおこらないが、新たな超構造が出現することを見出した。これらの変化は酸素の離脱に伴う現象であると結論した。 4.Bi系酸化物高温超伝導体における変調構造を研究し、C面に平行に積層しているBi二重原子層中でBi原子の偏析が起こり、これが強い格子歪を伴う構造変調発生の原因であるとし、新らしい変調構造模型を提出し、電子回折強度分布の説明を行なった。 5.Bi系酸化物高温超伝導体の空間群を4次元空間群理論に基づいて解析した。 6.酸化物高温超伝導体中の磁束分布の超微粒子低温蒸着法による観察を試みたが、鉄超微粒子径が大きすぎたので失敗した。
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