研究課題/領域番号 |
63420049
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 高士 京都大学, 農学部, 教授 (40026448)
|
研究分担者 |
村上 章 京都大学, 農学部, 助手 (80157742)
菊沢 正裕 京都大学, 農学部, 助手 (50144340)
内田 一徳 京都大学, 農学部, 助教授 (80111946)
|
キーワード | 遠心力載荷装置 / 破壊 / 模型試験 / 自重圧密 / 斜面安定 / 粘土層 / 締固め土 / 安定解析 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に導入された遠心力載荷装置を用いて、以下に示す本格的試験を実施して多くの成果を得た。 1.軟弱粘土の自重圧密試験 自重や層厚変化の影響に受ける極めて軟弱な埋立地盤や海底地盤の圧密挙動を遠心模型試験により研究した。135ー200%の所定の初期含水比に調整したカリオン系粘土(Crown Clay)を試料容器に投入し、片面排水条件で50gの遠心加速度を加えて自重圧密させ、容器にとりつけたスケ-ルから表面沈下量を目視によって計測するとともに、非排水底面での過剰間隙水圧を電気計測した。また試験終了後には5mmスライス試料の含水比測定を行った。この結果を三笠の自重圧密方程式を差分解析した結果と比較し、表面沈下量や過剰間隙水圧に関して両者の結果がよく一致することを確かめた。さらに測定した過剰間隙水圧の値からひずみによる圧密度をリアルタイムで予測する式を提示するとともに、自動計測システムを確立した。 2.層状模型斜面の破壊試験 粘土層を含む不飽和砂質土斜面では、粘土層の強度のほか、粘土層の位置や厚さ、勾配によってその崩壊形態や安定性が左右される。ここでは粘土層を含む締固め模型斜面の遠心模型試験を行い、崩壊特性を調べるとともに、変分安定法による理論計算結果と比較した。計算に必要な強度定数は、室内素要試験と均一斜面の破壊実験結果の逆解析を勘案して決定した。まず均一斜面の崩壊に関しては、三次元効果特性を考慮すれば、限界高さ、すべり線位置ともに実験値を理論的に模擬できることがわかった。さらに粘土層を含む層状斜面についても理論計算が概ね有効であることを確認した。また、より厳密な計算を行うためには、上部砂質土層の引っ張り亀裂、粘土層と砂質土層の境界面における水平移動等を配慮する必要があることがわかった。この点については次年度の課題とする。
|